人と組織を育てたければ、人を変えずに「環境」を変えよ

「人は環境の子」という格言があります。音楽教育の世界的権威である、才能教育研究会(通称スズキメソード)の創始者、鈴木鎮一先生の言葉です。
どんな人に育つかは、置かれている環境で決まるという考え方です。

このことは企業にも言えます。
今からお伝えする事例は、チームが活性化する最もシンプルな環境設定です。きっと、あなたのチームにも応用ができると思います。

事例とは、僕が主宰する夢新聞ワークショップです。
夢新聞とは、自分が将来大活躍し、新聞に載ったと仮定して、その新聞を手作りするワークショップです。未来の日付を入れ、文章はすべて完了形で書きます。
夢が実現するまでのプロセスを、できるだけ詳細に書きます。
紙面には、自分の夢が実現した時に、自分の成功を一緒に喜んでくれている大切な人の姿を書きます。

ワークショップでは、子どもたちに、「夢は1人で叶えることはできない」と伝え、協働の大切を伝えます。
そして、クラスにミッションを与えます。
「制限時間までに、クラス全員、1人残らず夢新聞を完成させてください」と。

ワークショップが始まると、必ずクラスの中に1人か2人、真っ先にミッション達成のために動く人が出ます。
アイデアが浮かばない、文章が書けない、絵が苦手…書けずに困っている仲間を支援するという行動です。
あるいは、自分から助けを求めるという行動を取る人もいます。

講師は、その動きに対し喜びと感謝を「大きな声で、その都度」伝えます。
すると、愉しい場がつくられ、行動する仲間が増えていきます。

助け合う過程で、仲間の夢新聞を見ることで共感が生まれ、チームは一体化します。
感謝のやり取りが繰り返されるたびに、メンバーの心が満たされていきます。

多くのクラスが、およそ90分で自律的な集団になるのです。

その姿を見学した大人たち、特に経営者は「ウチの会社もこうなりたい」と言います。

ミッションが達成してもしなくても、制限時間が来たら終了し、自分たちのチームワークの振り返りをします。

このワークショップで行っている環境づくりは次の通りです。

□1人1人が、夢の意義を持つ(喜ぶ人がいるなど)
□夢を実現するためには協働が欠かせないことを理解する。
□意義あるミッションを設定する。
□リーダーが感謝と喜びを伝え、愉しい場にする。
□メンバー同士が互いの夢や価値観などを知り共感をつくる。
□自分たちのチームの状態を自分たちで振り返る。

大切なことは、形式ではなく、気持ち、思いがこもっていることだと思います。

この要件を自社の文化に合ったオリジナルの環境を整えてみてはいかがでしょうか。
時間はかかりますが、確実に人と組織が育ちますよ。

というわけで今日も心豊かな1日をお過ごしください。

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