自律型組織の真実 〜集団の動きの変容とリーダーの心境の変化を考える〜

ティール、指示ゼロ経営、自律型組織に関心を持つ方に「なぜ関心があるのですか?」と聞くと、次のような答えが返ってきます。

□もうリーダー1人では知恵が出ない
□変化が激しいからリーダーの指示命令では立ち行かなくなっている
□働く人の意識が変わってきている(トップダウンを嫌がる)

こうした背景から自律型集団に移行する組織が増えていますが、実際にやった人はまだ少数だと思います。
「やると、どうなるか心配」…そう思う人が多くいます。

なので、今日は、とある事例から10人以上の集団が自律型集団になるまでのプロセスを明らかにしたいと思います。

集団が自律性を掴むまでのプロセス

まずは基本から。
自律型集団ではリーダーとメンバーの関わり方がトップダウンとは大きく違います。
「集団に課題を与え、集団と関わる」…これが基本です。
基本的にリーダーはメンバー個々とは関わりません。
メンバーは報連相をメンバー同士で行い課題を解決し上司に事後報告をします。

メリットは…
1、意思決定と行動が早い
2、自分たちで決めるので責任感が生まれる
3、集合知(文殊の知恵)生まれる
4、学び合うので加速度的に学習する
5、役割を自分たちで決めるので当事者意識が生まれる

次に、集団に課題が与えられた際に、どんな事が起きるのか?を考えます。

2:6:2の法則通りになる

まず、2割ほどの人が課題解決の方法を考えます。(先駆者)
同時に6割の人は仲間と適当に「どうする〜?」とじゃれ合います。(様子見)
残りの2割は「我関せず」という傍観者になります。(傍観者)

リーダーはこの時点で「ウチのチームはダメだ」と嘆きますが、これが正常なスタートです。
ここでリーダーが口を出すと自律性は一瞬で破壊されてしまいます。
上級者はここで辛抱できるのですが、それは、この後、集団がどうなるかを知っているからです。

2:6:2に間に交流が始まる

真っ先に課題解決に向けて動いた先駆者が、様子見の人たちに「こういうアイデアがあるんだけど」関わり始めます。
あるいは逆に、様子見の中から先駆者に「何かアイデアある?」と絡んでいきます。
傍観者は相変わらず何もしません。
何となくチームになっていく初期段階です。

小集団同士が結合しチームの輪が広がる

次に、小グループ同士がアイデアの共有を始めます。
ほとんどの場合、小グループの中から伝達係りが出て、彼ら同士で会話をして、それを周りの人たちが聞いているという構図になります。

傍観者に声をかけ出す

全体がチームになっていくわけですが、傍観者は相変わらず居るだけです。
一見、傍観者は役立たずに見えますがそうではありません。
中には斜に構えている人…違う視点を持っている人がいます。
その人に対し「◯◯さん、何か意見はないですか?」と聞く人が出ます。
(出ないこともある)
反対意見がある人が積極的に発言することは稀で、振られて初めて喋り出します。

こうして多様な意見・アイデアが出るとうわけです。

リーダーは不安→不信頼→希望→信頼の心境変化を体験する

ここまでの過程ではチームワークは決して良いとは言えません。
チームのパフォーマンスは落ちます。
しかし、この過程は必須だと考えています。
なぜならチューニングの時期だからです。
よく「息が合う、気が合う」と言いますが、互いの気分や意見を確認することで合っていきます。
よく、スタッフが出社後にどうでもいいような雑談をすると思いますが、これはチューニングを行っているのです。

ここから本格的にチームは高パフォーマンスを発揮します。

さて、この過程でリーダーは何を思い感じるでしょうか?

まず、2:6:2に分かれた時に「こりゃダメだ」と思ってしまいます。
ここで口出ししてしまうのですが、リーダーもメンバーもここを乗り越えないといけません。

次に小集団ができ始めるとリーダーはイライラします。
なぜならば、そこで話し合われる内容が幼稚だから。
「他に話し合うことがあるだろ?」「好き勝手言いやがって」…そう思ってしまうのですが、この時点で行っていることはチューニングですので問題ないと心得ることが大切だと思います。

さて、小集団同士の交流が始まり傍観者を巻き込むあたりからリーダーの心には希望と期待が芽生えます。
チームの共創・協働に感動する人も多くいます。
同時に、リーダーによってはチームを信頼していなかったと反省をする人もいます。

もしかしたら、結果的に有効なアイデアが生まれないこともありますし、アイデアを形にすることができないかもしれません。

しかし、それは訓練が足りないからで、すぐに解決できると思います。
何よりも主体的に取り組んだメンバーが一番、悔しがりますからね。

ざっと大まかに集団の変化とリーダーの心境の変化を書きましたが、こうした過程があることを事前に知っておくことは非常に有効だと考えます。
リーダーはもちろんメンバーも知っておくことだと。

なので、今日の記事はチーム内で共有していただきたいと思っています。

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