今のメンバーを変えずに、今のままで最高の成果を上げるには?

よく、スポーツの世界で「一流選手だけ集めても強いチームになるとは限らない」と言います。
チームワークの大切さを説いた言葉ですが、これは逆に言うと、普通の人間を集めて最高のチームをつくれる可能性を示唆していると僕は考えています。

メンバーを変えずに、最高のチームになれる、そう確信しているのです。

今日の記事では、なぜ、そのような事が起きるのか?…その理由を考えてみたいと思います。

偉い人がいないチームで三人寄れば文殊の知恵が生まれる

僕が経営してきた新聞販売店は、日本でオンリーワンの業態になりましたが、スタッフも僕も普通の人です。

僕は学校でキャリア教育をしていますが、上位校ではない普通の学校の普通の子どもたちが凄い成果を上げる場面を何度も見てきました。

そこでは2つの事が起きています。
1つは集合知=三人寄れば文殊の知恵
もう1つは、助け合いによる仕事の流れの最適化です。

まずは集合知から。
集合知が出るチームには「偉い人」がいません。
みんな普通の人である事が多いと感じています。
偉い人がいると、その人に気を使い自由に発言ができません。
文殊の知恵はみんなが自由に発言をする場から生まれるので、偉い人がいない集団の方が適していると考えています。

サッカーワールドカップで優勝した日本女子チームがそうだったという分析があります。
澤穂希選手がリーダー役ですが、決してご意見番ではなく、何でも言い合える関係だったと言います。

また、集合知の効果は集団を加速度的に賢くするというものがあると思います。
みんなで話し合うと、1人の知識をみんなに提供し合うので集団として加速度的に賢くなっていくからです。

流れと連携を良くすれば今のメンバーでより良い成果を上げられる

もう1つの要件は助け合いによる仕事の流れの最適化です。
下の図解がわかりやすいです。

工程1→工程2→工程3を経て出荷するメーカーだとします。
数字は、各工程のこなせる仕事の量です。
この図のように仕事の流れにはムラがあります。
この場合、この会社はどんなに頑張っても6しか出荷できませんよね?
弱い部分で決まるからです。

ということは、この場合、工程1はこんなに頑張らなくて良いわけです。
6まで力を落としても出荷数には変わりはありません。

ところが助け合いができていない集団では、工程1は自分たちの仕事が終わったら「後は知らん」と無関心になっています。
工程3は「2は何やってんだよ」とイライラしています。

1と3が助けに行けば…

8の出荷を、みんなが、これまでよりもゆとりを持って出せるようになるわけです。

3年前、僕はある学校でキャリア教育を行いました。
夢新聞というワークショップで、1人1枚、自分の夢が叶った事を伝える新聞を手作りで書きます。

夢新聞ワークショップでは「助け合い」を重視します。
その理由は、1人1人の夢を実現させる一番いい方法は共創、協働することだからです。
人は得意も苦手もある不完全な存在だから、決して1人で叶えることはできません。

そうした理由から、制限時間までに「クラス全員が、1人残らず」完成させるというミッションに挑戦してもらいます。

さて、その学級はこれまでと大きく違いました。
通常、ミッションの達成率は2割ほどです。
達成する場合でも、制限時間ギリギリ1分前ということが多いのです。
ところがそのクラスでは、15分前に達成しました。
作品のレベルもすごく高い。

なぜ、こんなことが起きたかというと…
実は、そのクラスは特別支援学級だったのです。
担任は「彼らは、自分1人でできないことがある事を、全員が知っている」と言いました。
だから、助け合いが行動のOSになっており、ワークショップが始まった瞬間から知恵の出し合いと助け合いが起きたのです。
早い、かつクリエイティブな作品が多かった理由です。

メンバーを変えずに、今いるメンバーで最高のチームはつくれるのです。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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