ラブレターは外注できない…経営者が自ら語るべき言葉とは?
いつの時代も、年寄りは「最近の若者は」と嘆くもので、聞くところによると、古代の壁画にもこの言葉が刻まれているとか。
そうと分かっていても嘆きたくなることがあります。
最近、LINEで退職を告げる人が増えているという話を聞いたことがありますが、これを言語道断と思う僕は古い人間なのでしょうか。
他にも、AIにラブレターを書かせる人がいるという話を聞いた時は驚きました。僕の世代はラブレターといえば紙媒体ですが、最近ではAIの回答をコピペしてLINEで送るようです。
媒体はともかくとして、文章は自分で考えた方が良いと思うですがね。
人生には、他人に任せてはいけないことがあります。
退職代行は100歩譲れるとしても、もしプロポーズ代行サービスなんてものが現れたら世も末だと思います 笑。
経営の分野には、外部の人間に任せてはいけないことがあります。
例えば「決算書」です。
税理士に決算書作成の実務を依頼するのは問題ありませんが、数字を読み解くリテラシーは自分で持つべきです。数字は、次のアクションを考える参考資料ですので、読み解けなければ意思決定はできません。
人材育成の核となる部分も任せてはいけません。
よく「社員のやる気に火をつけます」なんて宣伝しているコンサル会社がありますが、他者によって高められたヤル気など、その人が離れたら元に戻ってしまいますからね。
他にも、こまめなPDCAが求められる業務も外部の人間に任せてはいけません。例えば、マーケティングです。
マーケティングは、顧客が介在するので、売り手の思い通りにはいかず、幾度もの試行錯誤の末に自社独自のモデルが完成します。
外部の人間に任せたらPDCAサイクルの回転速度が鈍ってしまいます。
最後に紹介するのは、外部はおろか、社内の人間にも任せてはいけない、まさに「ラブレター」のような要件です。
それは、事業への想いやビジョンで、これだけは社長が自分の言葉で直接伝えなければならなりません。ここ30年を振り返ると、孫正義さんや三木谷浩史さんなど、それをやった社長が会社を成長させていますよね。
逆に、それをしない経営者の存在感は薄れる一方です。例えば、新聞社の社長のメッセージを聞いたことがあるでしょうか。聞いたことがないどころか、社長の名前すら知らない人が多いと思います。
よく、社長は幹部だけに伝え、一般社員には幹部を通じ伝えている会社がありますが、最初は社長が直に伝えるべきです。
アリストテレスは、人を説得し行動させるためには、「ロゴス」(論理)「パトス」(情熱)「エトス」(倫理、社会的意義)が欠かせないと説いていますが、他者が介在するとロゴスしか伝わりません。
他者を介しても良いものといけないものを、一度、整理してみることをお勧めします。
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