中小企業が、賃上げ以外の方法で人手不足を解消する方法

中小企業の人手不足が、一層深刻化しています。業績が伴わない中で賃上げをする企業が多く、2023年に人件費高騰が原因で倒産に追い込まれた企業は、昨年対比で8.4倍にのぼり、過去最多を記録しています。
しかし、その身を削る努力は報われず、人手不足は過去最悪を記録しています。

結論から言いますと、中小企業は「待遇の改善で人手不足を解決してはいけない」ということです。
ちょうど、3月に行う採用術セミナーの資料があるので詳しく説明しますね。

働く人が企業に求めるものには「待遇」と「働き甲斐」があります。
待遇とは「労働環境、労働条件、福利厚生、賃金」などです。
これらは、一定水準を下回ると不満が生まれ、モチベーションや生産性を悪化させますが、水準を超えると「あって当たり前」と思われることが多いものです。

対し、働き甲斐は、自分で決めることができる(任されている)、他者に喜ばれているという実感、チームで協働する愉しさなどです。
働き甲斐がある職場では、仕事が愉しくなり、モチベーションが高まるとともに、豊かな創造性が発動します。

次に、両要因をもとにマトリクスを作ります。

A領域は、待遇も働きがいも高い企業です。当然、大人気ですが数が少ないので、採用される人は限られます。
採用されなかった人の多くは「B領域」に流れます。お金のために我慢して働くという人はC領域に行きますが、今はそういう人は減っています。
C領域で懲りて、B領域への転職を考えている人も多くいると思います。

「B領域」こそが、中小企業が狙うべき市場です。

しかし、B領域の企業を希望する求職者は、異口同音に「そういう企業と出会えない」と言います。
その理由は、企業側が「そういう人を求めています」と発信をしていないからです。
求人広告を見てもらえば分かると思いますが、ほとんどの求人広告には待遇しか書かれていません。

求人広告を書く秘訣は、次の質問への答えを考えることです。

「なぜ、御社で働かなければいけないのですか?」もしくは「御社で働くと、どんな良いことがありますか?」

ちょっと考えてみてください。

この問いに対する答えは2種類あります。1つは「ビジネスの形」です。それは「顧客にとって、どんな価値を提供するか?」ということです。
例えば、アレルギー対応のパン屋さんであれば、「子どもが、お友達から、自分が食べたことがない美味しいものの話を聞く悲しみから開放するためにパン屋をやっています。ウチで働くと、そんな瞬間を見ることができます」というメッセージです。

もう1つは、「チームワークの感動を味わえる」「自分で決める行動する喜びがあるから」といった、「働き方」に関することです。

適切な媒体で、働きがいを発信すれば、B領域を狙う人は「待ってました」とばかりに問い合わせをしてくるでしょう。

繰り返しになりますが、安易に賃金で訴求してはいけません。無策な賃上げは、CかD領域の人を集めてしまいます。
人件費だけが増えて企業力は上がらない、それどころか落ちてしまうという事になりかねません。

というわけで今日の記事を参考にしてください。

もっと詳しく知りたい方は、3月27日(水)に行われる採用術セミナーで学んでください。実際に求人メッセージを作ります。
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