「入社がゴール」の人はご遠慮を。入社後に活躍する人と出会う採用術
採用活動は婚活に似ていると思います。
それは「互いが」幸せになることを前提としたマッチングということです。いい関係で結ばれると、幸せのプラットフォームである「企業」や「家庭」を大切にします。
だから繁栄する。シンプルな原理だと思います。
ところが、企業では「自社に都合の良い人材を選ぶ」という独善的な採用がまかり通ってきました。
それが労働人口の減少を受け、人手不足が深刻化すると態度は一変します。
「条件が良いからいらっしゃい」といった、媚びたような求人メッセージが増えました。
そういう企業のメッセージを意訳すると次の2つに集約されます。
高賃金を払える企業→「仕事はつまらないけど、良い給料を払うよ」
払えない企業→「休みも多いし残業はないから、我慢して仕事をしてね」
いずれも、仕事に対するネガティブな観念がベースにあり、それを待遇でカバーするという構成になっています。
ちなみに、僕が経営してきた新聞店が20年ほど前に使っていた求人広告をご覧ください。
高待遇をうたっていますが、要するに「お金のための我慢する人、集まれ」ということです。
こうした企業を狙う人は「入社がゴール」でゴールにたどり着いたら動きが止まっていまいます。
そんな人を集めたら、企業はどうなってしまうかは論を俟ちませんよね。
まさに、企業の「終わりの始まり」だと思います。
対し、採用が企業繁栄の「始まりの始まり」になっている企業もあります。
そういう企業に入った社員は、入社してからがスタートで、そこから「物語」が動き出します。
「物語」とは何でしょうか。
物語には、時系列に沿って人間が変化していくという構成が必要です。
指示ゼロ経営には、その構成づくりのためのフォーマットがあります。
顧客の「Before→After」に貢献した、自分たちの「Before→After」を図解化したものです。
自分たちは、どんな人の、どんな幸せを作っているのか?
その過程で、社員はどのように成長し、どんな幸せを手にしたか?
求人メッセージには、これに具体的なエピソードを添え「こんな働き方がしたい人を募集しています」と訴えかけるのです。
僕は23年間新聞店を経営してきましたが、採用には本当に苦労しました。
ずっと、働き甲斐を求める人は新聞店には来ないと思い込んでいましたが、そうでないことが分かりました。
今、想像以上に多くの人が働き甲斐を求めています。
その表れが「ゆるブラック企業」からの離職者の増加です。「ゆるブラック企業」とは、待遇が良く、一見すると働きやすい環境があるものの、自己成長やキャリアアップが見込めない企業を指します。
当社では、先ほどのフォーマットに基づき、入社後の「物語」を綴った、17ページにおよぶ資料を作りました。
この方法に変えたら、働き甲斐を求める人からの応募が驚くほど増えました。
そして、自分の人生を豊かにするプラットフォーム=会社を心から大切にし、入社後、自発的に「物語」を作ってくれました。
そして、定着率も抜群に高い。
採用は単なる人員補充ではなく、未来を共に創る仲間探しです。
労働条件だけでは、本当に企業を支える人材は集まりません。条件で集まった人材は条件で離れますが、物語で結ばれた仲間は簡単には離れません。
採用は「終わりの始まり」にも「始まりの始まり」にもなる一大事。
是非、フォーマットを活用し、共感で募る採用を考えてみてください。
※さて、今日ご紹介したのは、僕が実際のセミナーでお話ししている内容の一部です。
セミナーでは、学ぶだけでなく、実際に求人メッセージを作ります。きっと、採用に対する見方がガラッと変わるはずです。
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