自律型人材育成の王道は「人を変えずに環境を変える」
よく「1人1人はヤル気があり積極的なのに、なぜか組織になるとダメになる」という悩みを聞きます。
身に覚えがあるという方もおられるのではないでしょうか。
どうしてそのような事が起きるのでしょうか。
人は、本人の意思で言動を決めているように思えますが、実は、集団に流れる「空気」に影響されることが分かっています。
例えば、イジメがそう。イジメが悪いことはみんな知っているし、自分の組織からイジメがなくなって欲しいと思っている。でも空気に流されやってしまうのです。
環境や文脈に影響され「思わずそうなってしまう」ということです。
ここで問題になるのが、「その環境・文脈は誰がつくっているのか?」という問いです。
結論から言えば「全員で」ということになります。
イジメが起きるのは、イジメている人の問題でもあり、それを見て見ぬふりをする人の問題でもあります。
「うちの社長はワンマンで困る」と嘆く人がいます。当然、社長の言動も問題ですが、その社長に何も言わないイエスマンもワンマン文化を醸成する要因ということです。
1人1人の言動によって作られた風土によって1人1人の言動が決まり、また風土が強化されるのです。
卵が先か鶏が先か?といった関係ですが、悪い風土を変えるためには、良い風土を醸成する言動をするメンバーを増やすしかありません。
ベテラン教員はイジメが起きると、イジメている人だけを注意することはしません。むしろ、イジメを止める人を増やす工夫をし、イジメを止める文化を醸成します。
このように、環境・文脈は全員でつくり上げているにも関わらず、つい「自分以外の誰かがこの状況をつくっている」と考えがちです。
そういう人は、「その”誰か”が変わらない限り、今の状況は変わらない」と考えますが、その態度こそが変わらない原因なのです。
では、どうすれば好循環に転じることができるでしょうか。
その第一歩は、「環境・文脈は全員でつくり上げている」という共通認識をつくることです。是非、今日の記事をメンバーと共有してください。
次に、「自分たちが理想とする組織」の共通認識をつくります。いきなり「理想は?」と聞かれても困ると思いますので、「人間関係」「コミュニケーション」「チームワーク」「情報共有」「他部署の関係」と小カテゴリーに分けて理想をあげてもらうとやりやすいと思います。
続いて、自分がとっている「それらの理想を阻害する言動」と「自分が取るべき理想の言動」をあげてもらいます。
もし、この2つをメンバー間で伝え合うことができれば、もう問題は解決したも同然です。よほど信頼関係がなければ、自分の負の言動なんて伝え合うことはできませんからね。
このワークをやっても、人の言動はすぐには変わりません。そうなると、成果を実感できずに嫌になってしまうかもしれません。
そこで、成長を実感し、充実感を得られる仕組みをつくる必要があります。
例えば、ある企業では、言動が変わった人がいたら「○○さん、最近変わったよね」と仲間同士で指摘し合う仕組みをつくっています。
そして、定期的に、みんなの投票により表彰を行っています。
決して、変わっていない人を責めたり、他者と比較したりせずに、変わった部分だけに着目することが要点です。
人の行動は、集団の環境・文脈に大きく影響されます。
いい意味で「思わずそうなってしまう」という文脈をつくること…人を変えずに環境を変えるのが最適なアプローチと考えています。
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