「感謝されたい」ではなく「喜ばれたい」…見返りを超えた動機の力

よく、現場の社員さんから「お客様に喜ばれることが嬉しい」という言葉を聞きます。
お客様の喜びを自分の悦びとしているということですが、僕が「悦び」という表記をすることに注目して欲しいのです。
「悦び」と表記する理由は、その方がより深い愉悦とともに、内面から湧き上がるニュアンスを感じるからです。

僕は、この言葉が出る会社は原理的に繁栄すると考えています。
その理由は、この言葉には見返りを求める意思がないからです。
人は、見返りがないのに「推し」をしている人に魅了されます。
例えば、あなたが非常に魅力的なレストランを見つけたとします。それを家族に教える時に、見返りを求めているでしょうか?
純粋なる「知ってほしい」という気持ちで推しているはずで、だからこそ、それを聞いた家族は「それは是非行ってみたい」と動機づけされるのです。

似て非なるものとして「お客様に感謝されることが嬉しい」という表現があります。
これは感謝という見返りが嬉しいわけで、それがなければ報われることはありません。

「推し」の原理で商売をしているのが、度々、当ブログで紹介する鈴木紀夫さんです。
鈴木さんは新潟県五泉市で小規模なスーパーマーケットを経営しています。

プリンの被り物をしているのが鈴木紀夫さん

鈴木さんの商品セレクトの基準はとてもシンプルです。

「自分が食べて、”これはお客様にも体験して欲しい”と思ったものを仕入れる」

とてもシンプルですね。そして、宣伝文句もシンプルです。

「私が食べて美味しかったので、是非、食べて欲しい」

鈴木さんは、お客様の笑顔を見た時に、心の中でガッツポーズをすると言います。

「伝えずにはいられないコンテンツがあり、伝えずにはいられない大好きな人(顧客)がいる」…実はとてもシンプルな経営なのです。

鈴木さんに勧められて商品を買った人の身にも、鈴木さんと同じことが起こります。大切な家族や友人に「私が食べて美味しかったので、是非、食べて欲しい」と言うのです。
この連鎖が続いていくのだから、原理的に繁栄するわけです。

鈴木さんのお店には、大手スーパーの関係者が視察に来ます。
彼らの多くは、鈴木さんが「売れる商品を見つける才能がある」「宣伝に長けている」と勘違いしていると言います。
ある時、勘違いしている様子を見て、彼らに「皆さん、自分のお店の商品を食べてますか?」と聞いたことがあると言います。答えは「NO」でした。
鈴木さんの質問の意図は分かりますよね?

以前に、鈴木さんと飲んでいる時に僕にこう言いました。

「今では愛だけで経営ができる」

決して理想論でも綺麗事でもありません。その世界を生きている人の真理です。

経営者はもちろんですが、社員さんから「お客様に喜ばれることが嬉しい」という声が聞かれるようになると、そこには別世界が広がると思います。
そのために何が必要か?…一度、立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。
 
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