リーダーが「本来すべき仕事」って?
通常、人材を抜擢する基準は「その任務をこなせる実力がある人」だと思いますが、人材育成の達人は、まったく違う基準で選びます。
その基準とは…
「その任務により成長できる人」
その理由の1つは、周囲への影響です。
今、冬季オリンピックの真っ只中ですが、私たちがスポーツ観戦で、どんな時に感動するでしょうか。もちろん、鮮やかなプレーにも感動しますが、それよりも、諦めない姿や、仲間を思いやる気持ちなど、人間的な姿勢に感動することが多いと思います。
そして、自分も頑張ろうと思う。
それと同じで、何かに挑戦し成長する仲間がいると、その人を中心に、周囲が引っ張られるように成長するのです。
最近、それを自ら実践する2人のリーダーに出会いました。
1人は「一般社団法人信州子育てみらいネット」の理事長、山岸 裕始さんです。
山岸さんは、毎年、新たなことに挑戦し続けています。
例えば「歌」です。
山岸さんは、少し滑舌が悪く、人前で話をすることに引け目を感じていました。それを克服するために、ある年の新年会で、スタッフを前に歌を披露したのです。

「人は成長できる」…自分の思いを、自らの姿でスタッフに伝えたのです。
その後も、落語をやったり、宅建(宅地建物取引士)に挑戦見事に合格。最近ではTOEFLに挑戦し、760点を取りました。
攻めてますね〜。


同社団法人には、新しいことに挑戦する文化が根づいていますが、その中心には理事長の存在があることは間違いありません。
もう1人は、小学校の校長です。
2025年の一学期の終業式に、児童に「夏休み中に、一輪車に乗ってみせます」と宣言をし、練習を重ねてきました。
結局、夏休み中には乗れるようにはなりませんでしたが、校長は諦めずに、二学期の始業式で「まだ諦めない」宣言をして練習を続けました。
その後、どうなったのか?と思っていたら、先日、新聞に後日談が載りました。
記事を読んだ僕までエンパワーされてしまいましたよ。

さて、成長できる人を抜擢すると、別の理由からも組織全体の成長を促します。
人の成長には「想定外の体験」が欠かせません。要するに、失敗したり困難に直面した時です。そんな時に、人は自分を変えようと思い、自ら学んだり、他者からのアドバイスを受け入れます。
だから、そつなくこなせる人が任務に就くと成長しないし、周りをエンパワーメントすることもないのです。
想定外を経験させるなら、リーダーは、自分の仕事を後輩や部下に譲り、想定外を経験させ、自分は「より難しい課題」に挑戦し、自らも想定外を経験した方が良いということになります。
より難しい課題とはどんなものでしょうか?
1つは件のリーダー2人のような「従来とは違った分野への挑戦」です。
もう1つが「部下や後輩の支援」です。自分でやるよりも他者の支援の方がはるかに難しいのです。
そうすることで、全員が育ちますし、挑戦による失敗のリスクヘッジにもなりますしね。
熟達者は、仕事を手放し、挑戦や支援という難題に挑む。
後進は、想定外の経験を通じて力を伸ばす。
役割が循環した時、組織は個人の能力を超えた成長を始めます。
そういう意味では、抜擢とは、未来への投資なのかもしれませんね。
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