パート社員を「道具」のように扱う企業

パート社員の扱いが雑な企業があります。
例えば、急用で社内研修に参加ができなくなったスタッフに対し、「ああ、あの方はパートだから問題ないです」と言った社長がいました。
経営計画説明会にパートさんを参加させない企業があり、その理由を聞いたら「パートには関係ないから」と答えた社長もいました。

こうした対応の背景にあるのは、パート社員を「手足」「道具」と捉える人材観があります。
この考え方は非常に危険で、社内に「頭脳」と「手足」の分断を生み、組織は一体感を失います。

社内には様々な役割があり、役割により仕事の難易度や業績へのインパクトは変わります。
しかし、役割は違えど「同志」であることには変わりないと思うのです。

この件に示唆を与えてくれるのが、イソップ寓話の「レンガ積み職人」です。

改めて確認すると、ある旅人がレンガ積みをしている3人に「ここでいったい何をしているのか?」と尋ねることから物語が始まります。

1人目は「見ての通りレンガを積んでいる。大変だ」
2人目は「大きな壁を作っている。おかげで家族を食わせることができる」
3人目は、「歴史に残る偉大な大聖堂を造っている。人々が救われるなんて素晴らしい」

と、それぞれが答えます。

「目的を持って仕事をしましょう」という教訓なのですが、経営者には別の洞察を与えてくれます。

1人目の職人は、きっと作業の目的を告げられずに「レンガを積め」と指示されたと推測されます。
2人目は、指示とともに「頑張れば家族を食わせられる」と動機づけをされた可能性があります。

3人目はどうでしょう。

大聖堂建設の決起大会の際に、関係者全員が招かれ、そこで「大聖堂を建てる目的」を伝えられたんじゃないか?と勝手な想像しました。
さらに、「大聖堂の建立により救われる人、幸せになる人はどんな人ですか?」といった問いが投げかけられ、みんなで話し合ったらどうなるか?
きっと、3人目の職人のような人が育つと考えたのです。

実際に、僕は、経営支援やホワイト企業大賞の審査で伺った企業で、3人目と同じような言葉を聞いてきましたが、そうした企業では例外なく、全スタッフを「同志」と捉え、日頃から丁寧な説明と対話を積み重ねていました。

ひと通りの豊かさを手にした今、出世や賃金が動機づけにならない人が増えていると言います。
コンサルティング会社「デトロイト」が世界29カ国のミレニアル世代に行った調査では、就職先の選択で重視する項目として、賃金よりも「企業が掲げるミッション」を挙げる人が6割にものぼりました。

組織が目指す未来を丁寧に語り、対話を重ね、全員を同じ物語の登場人物として迎えること。役割の違いはあっても、思いの深さには上下はないと思うのです。
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