最先端の教育現場から「芸術を大切にするリーダー」が活躍する理由を考える

「課題がそこにあり」→「課題を解決する」…これがビジネスの役割で、この能力が高い人を育てる教育が発達しました。
その典型が五教科重視の教育です。五教科は点数で評価できるのは正解があるからです。
課題を提示してくれれば活躍できる人材を育ててきたのです。

ところが時代は変わり、「課題がなんだか分からない」という場面が増えました。
そもそも、生活者が自分の課題を分かっていません。
以前ではあれば「もっと暖かい家に住みたい」といった課題を生活者が示してくれました。
「よりキレイに映るテレビが欲しい」「速い車が欲しい」「燃費の良い車が欲しい」と。

それが、今では「特に困っていないが、より充実した生活を送りたい」「欲しい物はないが、なんだか心が満たされていない」という人が増えた、つまり自分でも何が欲しいのか分かっていないのです。

もちろん、課題が明確な市場がなくなるわけではありませんが、市場の成熟と人口減少により規模が小さくなり、大手による寡占化が進みます。

そんな時代では、特に中小企業では「課題を設定する力」が求められます。

最近、「STEAM教育」(スティーム教育)なるものが注目されています。Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の5つの単語の頭文字を組み合わせた教育概念です。
実は、20年ほど前に「STEM教育」というものがありました。何が違うかと言うと「Art」がなかったのです。

芸術には正解はありません。自分で「これが良い」と課題を設定するところから活動が始まります。
0から1を創る力が求められるということで、Artが加わったと言います。

以前に、ある中学校の音楽の教員が、「音楽や美術はオマケのような扱い」と泣きながら嘆いていました。
その時に「STEAM教育」のことを僕が知っていれば良かったのですが、涙を流す教員を前に、何も言えませんでした。
偶然でも今日の記事を読むか、STEAM教育について知る機会があればと思います。

もう1つ、Artには特徴があります。それは衝動に基づく活動だということです。「0から1を創る」とは、まさに衝動により起きるビックバンです。
課題がある場合、その解決の段取りを組む戦略的な思考が役立ちますが、Artは「そうせざるを得ない」切実な思いがあります。
損得勘定ばかり考えている人には難しいかもしれません。

僕が研修をさせていただいたある企業さんは、研修会場に美術館などを選び、研修後にチケットを配り芸術に触れる機会をつくっています。

「心の充足」が命題となった今のビジネス環境には必須の教育だと思います。

正解がないものを愉しむ感性を大切にしたいですね。

というわけで今日も素敵な1日をお過ごしください。


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