統率、計画通り、一枚岩、頑強…こうした組織が時代に取り残されるワケ

経営計画は何のために立てるのでしょうか?
「経営を計画的に行うため」と、そのまんまの答えが返ってきそうですが、計画立案の背景には、もっと根源的な欲求があると思います。

「事象を支配下に置きたい」という願望です。さらに、滅多に気づくことはありませんが、その願望の奥には、「支配下に置けないと怖い」という根源的な情動がある可能性があります。

しかし、今は、外部環境の変化が早いので、都合よく事が進むことはありません。
にも関わらず、計画どおりに進めると働く人に重い負荷がかかります。
すると、今度は「社員に嫌われる」という恐れが生まれます。
前に進めば進むほどに、恐れが増大するのです。

そんな時代を生き抜くヒントは「反脆弱性」という概念にあると思います。
ナシーム・ニコラス・タレブという、リスク・不確実性の研究家が主張する概念です。

脆弱の反対は、普通、「頑強」ですが、タレブ氏は「反脆弱性」と捉えました。
頑強とは、外圧や過環境変化に強い状態です。それらに弱いのが脆弱です。
しかし、タレブ氏は、環境変化や外圧の高まりによってパフォーマンスが上がることを発見したのです。

その理由は、「振れ幅」(リスク)が生じるので、チャンスが増えるからです。

そう考えると、今の時代は、カッチリとした頑強な組織を作るよりも、反脆弱性の高い組織をつくり、計画を修正しながら「行き当たりバッチリ」で進んでいく方が良いということになります。

この話をすると、「考えただけで怖くなる」という人と、「考えただけでワクワクする」という人に分かれます。
ワクワクするという人の方が変化の時代に向いていると思いがちですが、そうではないと考えています。

タレブ氏は、リスクの上手なマネジメントも説いています。
リスクとは、下にも上にも振れる可能性(危険性)をはらんでいます。下に振れると大失敗をしますし、上に触れたら大成功します。

そこで、下に振れる危険性が少ない事業を持ちながら、上に振れる可能性がある活動をするという方法が考えられるのです。

暖簾(のれん)を守りながら変革するという考え方ね。

僕は、この話を聞いた時に、片岡鶴太郎さんが思い浮かびました。
僕が中学生の頃、彼は「鶴ちゃんのプッツン5」という番組で、下品でアホみたいなことばかり言っていたのに、その活動をベースに、俳優、プロボクサー、画家、書家、ヨガと活動を広げていきました。
活動を広げるたびに深みも増していき、すごい人だと感心したのですが、反脆弱性の視点からすると、とても上手なキャリア形成だと思います。

経営もそうだと思います。
安定領域を担保しながら、新しいことに挑戦ことが大切だと思います。
それは既存事業の安定かもしれませんし、固定費がかからないやり方をするということかもしれません。

反脆弱性の高い組織風土をつくると同時に、変化を糧にできるようにリスクの管理をすることがことが大切だと思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

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