「社員が仕事に身が入ってない」と思った時にチェックする3つのポイント

アスリートは、人間が到達できる最もコンディションの良い状態である「フロー」に憧れを持ちます。
フローとは、ミハイ・チクセントミハイという心理学者が提唱する概念です。
時間感覚を忘れるくらいに物事に没入し、自分が環境の中に溶け込んだような感覚になり、充実感に満ちた時間が流れます。
その結果、素晴らしいパフォーマンスを発揮します。

しかし、非常に厄介なことに、フローは「入ろうと思うと入れなくなる」という性質があるのです。
ある環境下で活動に全身全霊を傾けていたら、気づいたら入っていたというものなのです。

創造性も同じだと考えています。
よく、「創造性を発揮して仕事に励んで欲しい」なんてことを言う人がいますが、言われてなれるものではありません。
フローと同じく、ある環境下で仕事をしていたら、気付いたら発動していたというものだと思うのです。

チクセントミハイの著書「喜びの現象学」の中に、その要件が記されています。
僕が職場にも応用できると考えた、3つのポイントを紹介しますね。

❚難易度と実力の最適化

頑張れば達成できそうな予感がするという難易度の設定が大切です。
難易度が実力よりも低い領域を「コンフォートゾーン」とい言います。楽ちんですが夢中にはなりづらいのです。
実力に対し難易度があまりに低いと、「退屈ゾーン」といって、まったく愉しくありません。
フローは、取り組む事柄の難易度が実力とうまく釣り合っている時に入りやすくなります。

取り組むことは、必ずしも楽しいものである必要はありません。あまりにストレスがかかる場合は別ですが、重要なことは難易度と実力の最適化だと言います。

❚自律性

自分の意志で決め、行動できること…自分が「仕事の主」であることが大切です。
ただし、職場ではチームで取り組むので工夫が要ります。チームでアイデアを出すスキルと、役割分担を自分たちで決め、協働できるチームワークが欠かせません。

❚素早いフィードバック

自分で決め、行動したことによるフィードバックがないと嫌になってしまいます。しかも、すぐにないと嫌になってしまいます。
フィードバックとは、他者の反応や評価、成果であったりと様々ですが、スポーツやゲームと違い、仕事の場合、すぐに訪れないことが多いと思います。

肝心なことほどフィードバックまでに時間がかかります。

例えば、顧客との関係性がそうです。
「何を買うか?よりも誰から買うか?」の時代になったと言われますが、お客様や地域社会から、好かれ、信頼され、共感されるといった関係性資本は、一朝一夕で手に入るものではありません。

重要にも関わらず、ちゃんと取り組まない企業が多いのは、すぐにフィードバックが得られないからだと思います。

結果までの過程が長い場合、要所要所でフィードバックが得られる工夫が必要です。

例えば、関係性づくりにつながる行動をする度に、スタンプが押されるような仕組みです。押される時に、仲間やリーダーから「おめでとう」と祝福のフィードバックが得られるようにするのです。
お客様からの感謝の声が来る仕組みも有効だと思います。1つ1つの地道な行動が感謝となって返ってきたら、俄然、ヤル気に火が付きますよね。

□難易度と実力の最適化
□自律性
□マメにフィードバックが得られる工夫

社員にもっと仕事を愉しんでほしいと思った時は、上記の3つをチェックしてみてはいかがでしょうか?

チクセントミハイの著書のタイトルは「喜びの現象学」です。
フローのある人生は、喜びに彩られます。
それが何よりも価値があることだと思います。

というわけで今日も素敵な1日をお過ごしください。

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