味の素が中期経営計画を廃止した件から、これからの経営を考える

「数字に縛られる」という経験をしたことはないでしょうか?
数字的な経営計画を作ったは良いが、数字を意識するあまり、発想が狭まったり、行動が萎縮したりすることがあります。

僕はこの事を、ある方からピクニックで教わりました。
その日は朝から晴天で、最高のピクニック日和でした。ピクニックと言っても、1時間ほど歩くプチピクニックです。
ゴールは、坂道をずっと歩いた先にある大きな滝です。僕は、ゴールに向かい、意気揚々と歩きました。
途中、足が痛くなりましたが、「絶対に滝を見るぞ」と決意し、頑張りました。

滝についた時、その方が言いました。

「途中に、小さくて可憐な赤い実がなった木があったね」

僕以外の方はみんなは、「あったね〜」と言うのですが、僕にはさっぱり記憶がありません。
帰りに見たら、本当にかわいい実がなった木がありました。

僕は、その方が花の話を出した意図が分かりました。
「ゴールに向かって一直線では、時に、道程にある美しく価値あるものを見落とすよ」ということです。

先日、味の素が中期経営計画を廃止すると発表し話題になりました。
社員数3万人を超える大企業が廃止するというのだから大変なことですよね。

廃止の理由を、「変化が激しい時代、変化に対応しながら価値を生み続ける組織文化をつくる必要がある」と説明しました。

変化が激しい時代では、自分都合のゴールを設定できないということです。

方向性を定めたら、歩きながら変化を感じ取り、柔軟に対応していく力が求められる時代になりました。

当社では、新聞市場が縮小し、何をやったら良いかさっぱり分からなくなった事があります。
計画を立てても、計画通りに行った試しがなく、非常に危機感を感じました。
「どうせ分からないから、せめてお客様に喜ばれることは何でもやろう」と開き直り、全社あげて、喜ばれることを考え実行しました。

コミュニケーションが増え、信頼された結果、お客様は困りごとを話してくれるようになりました。
やがて、それらの困りごとは、個々の問題ではなく、地域全体の問題だということが分かりました。
そこで、地域の課題を地域の人たちで自律的に解決する地域づくりの事業が立ち上がったのです。
僕は、その時、「激しく正解がわからない時代」の意味を初めて理解したのです。

変化に柔軟に対応するためには、トップダウン経営を改める必要もあります。
いちいち上の指示を仰いでいたら手遅れになってしまいますし、トップが常に正しいジャッジをするのが難しいからです。

歩いている途中に、不具体を発見したり、新たな発見をしたら、メンバーがさっと集まって、さっとプランを変える、柔軟で自律的な組織体質が求められます。

こうした経営は、何でも自分の思い通りに進まないと気が済まない経営者には向いていません。

変化に柔軟に対応する組織は、これまで、中小企業の専売特許だと思ってきましたが、まさか大企業が取り入れるなんて思いもしなかったです。
今後に注目したいと思います。

中小企業、特に、僕のブログをお読みいただいている方は、これまで通り、自律的、柔軟な組織への道をマイペースでお進み下さい!

というわけでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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