「アホ力」が組織が新しい冒険に出る原動力

僕は、経営は「アホな世界をやり抜くこと」だと思っています。
ここでいうアホとは、成功するか分からないことに挑戦し続けること…冒険に出ることです。
(ちなみにアホは最上級の賞賛の意味です、念のため)

ある意味、冒険は人間にとって非合理的な行為です。
それを示す実験があります。
ここに当たりとハズレが半々のクジがあります。
当たりを引けば1万円がもらえますが、ハズレを引くと5,000円払わなければなりません。
辞退するという選択肢もあります。

あなたはどんな選択をしますか?

実は多くの人が辞退を選びます。
確率は半々で当たりの場合の報酬の方が大きいのだから挑戦する方が合理的な判断に思えますが、そうしないのです。

されに、辞退しても3,000円もらえるという条件を提示すると、さらに多くの人が辞退を選ぶそうです。

これを企業で言えば、冒険すれば一攫千金のチャンスがある。
しかしハズせば損をする。
ところが挑戦しなくても今のお給料はもらえる見込みがある、そんな状況です。

それでも冒険するのだから「アホな世界」と思うのです。

1人の人間の決断でさえそうなのだから、これが組織で行うとなればもっと難しいと思います。

現代の経営は100年以上前に開発された科学的管理法を基礎にしています。「人間は損得勘定で物事を判断する」という人間観で組織を動かします。
しかし、損得勘定だけで社員を誘うと「冒険したくない」という結論に達してしまいます。

損得勘定を超えた働きかけが求められます。

これを実現した、僕が好きな逸話があります。

1964年に富士山の山頂に建てられた巨大レーダー「富士山レーダー」の物語です。
非常に過酷な任務ゆえに「会社の業績が良くなる」という理由を述べても人は動きません。

ここで出たのがリーダーの伊藤 庄助さんの言葉です。

社会の役に立つ一生に一度の仕事、なかなか巡ってくる仕事ではないけれど、自分の作ったものが永年残り役立っている。この事だけでも満足であるはず。自分がこの世に生きていた証かもしれない。のちの人がそれを見る時、思いだす。素晴らしいでは無いでしょうか。あなたも是非残して見て下さい。

この言葉を聞いて心が動く人は少数派だと思いますが、少数派が行動し、小さな実績を作ると、多数派は可能性を感じ(得だと判断し)賛同者が増えていきます。

時代が大きく変わる今、まずは少数派の心に届く損得勘定を超えた動機づけができるかが冒険の大事だと思います。

それでは今日も素敵な1日を!

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