リーダーに刺激されたヤル気ではなく、持続的に湧き上がるヤル気を目指す

他人の手で引き出されたヤル気は長続きしない

よく、上司の役割は部下のヤル気を引き出すことと言われますが、そんな芸当を続けられる人はごく一部だと思います。
その理由は、誰かに刺激されて生まれたヤル気は一時的なもので、継続するにはより強い刺激が必要だからです。
麻薬と同じですよね。

僕は30代前半、部下のヤル気を引き出すことを頑張りました。
コツが分かると出来るんです。
興奮させるのです。
夢を語る。困っている人を救うんだ!と語る。不可能に挑戦する。お前には使命があると語る…
そんな言葉を気持ちを込めて語ると、相手の脳内にドーパミンが分泌され、興奮してヤル気になるのです。

でも、この方法は燃料を投入し続けないといけませんし、燃料の量も増えていくので行き詰まります。
起爆剤として必要だと思いますが、その後のモチベーションシステムが必要だと考えるのです。

そのシステムとは、今話題の幸せホルモン系です。
セロトニンやオキシトシンといったものね。

こうしたホルモンはどうすれば出るのか?
研究では…
1、関係を大切にしたい人と一緒に何かに取り組む
2、他者に親切にする、喜ばれることをする
3、他者から感謝される

静かではあるか、しみじみと湧き上がる幸福なモチベーションです。

仕事の環境、仲間との関係性から生まれる幸せなヤル気

僕はホワイト企業大賞の委員をしていますが、企業さんのインタビューでこのことを実感しています。
社員さんにインタビューをすると、すごく幸せそうなのです。
キラキラしているのです。

キラキラに対しギラギラしている企業もあります。
これはドーパミン系のモチベーションで、怒涛の勢いがあります。

・高い目標を設定する
・朝礼で大声を出しヤル気を奮い立たせる
・競争原理を働かせる
・いつも熱く語る

きっと、朝起きて出社する時の心境は出陣と同じだと思います。

対し、キラキラしている企業さんに、日頃の仕事の取り組みを聞くと違いが見えてきます。
まさに、先程の研究知見と同じだということことが分かります。

社員さんは仲間のことが好きで、仲間のことをよく知っています。
商売のスタイルも顧客との関係性を重視していて、お客様に喜ばれることを最優先にしています。
そして、仕事はチームで取り組み、助け合いや学び合い、時に叱咤し合っています。

また、協働する中で自分の居場所ができ、高い自尊心を持っていますし、同時に、自分1人ではできないのが協働なので、仲間の存在を有り難く思っています。

協働から持続するモチベーションが生まれているのです。

僕は、ドーパミン系、セロトニン系、どちらも必要だと考えています。
有事や危機下、新しい挑戦をする時には前者で立ち上げることが大切、でも持続しない。
だから顧客と仲間の関係性を重視し協働で仕事を進める体制をつくることが欠かせないと思うのです。

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