「損得勘定は打算的・利己的」「義理は道徳的・利他的」という考えの間違い

よく「損得勘定で物事を考えるな」と言う人がいます。
損得よりも義理を大切にせよという考え方です。

この考え方には…
損得勘定は打算的・利己的
義理は道徳的・利他的という意味合いが含まれていると思います。

しかし、僕はそうは考えていません。
得と徳は同義語であると考えています。
もっと詳しく表現すれば、「卵が先が鶏が先か」のことだと。

つまり得を極めると徳になる。
徳を極めると得を得る。
そんな因果関係があると考えているのです。

例えば、近江商人の「三方良し」は道徳律であると同時に、したたかな商売思想です。
得と徳が表裏一体になっています。

そして、僕の場合、前者…得を極めると徳になるというやり方を取っています。
その理由は損得から入った方が具体的な行動プランが立つからです。
ただし、目先の得ではなく長期的な視点です。

僕は自分の商売でこのことを痛感しました。
新聞業界は「部数至上主義」という考え方でこれまでやってきました。
部数は正義…そんな掛け声のもとで、あの強引で乱暴な訪問営業が行われてきたのです。
基本的に長期ビジョンはなく今期の目標だけを見て突っ走る企業が多い。

それでどうなったか?
3つの損をしました。

1、インターホンが普及して会ってもらえなくなり営業ができなくなった
2、部数が減ったことで折り込みチラシも減ってしまった
3、求人をかけても人が集まらなくなった(イメージが悪いから)

目先の得を追求して後で大損したのです。

一方で、長期的な得を追求した企業は極めて徳の高い商売をしました。
そうした企業の特徴は…

□収益の源泉は顧客であることを心得、顧客との関係性をジックリと醸成した
□コストは新規客獲得よりも既存客の満足創造に使った
□強引な営業はせず、魅力的なイベントなどを開催し新規客と繋がりをつくった
□地域あってこその商売と心得、地域貢献を欠かさず行った

こうした商売をした企業の方が明らかに業績も求人の反応も良いのです。
非常に徳の高いあり方ですが、損得勘定を極めた結果こうなったのです。

まさに天国と地獄を分ける思想の違いです。
同時に、長期的な得を考えたからこそ、具体的な取り組みが生まれたのだと思います。

僕は得から入って徳を得るという考え方ですが、逆の考え方で上手くいっている人もいます。
順番はともかくとして「得と徳は同義である」ということだと考えるのです。

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