「2025年7月5日、日本壊滅!?」デマに学ぶ、組織の情報マネジメント術
明日、2025年7月5日に大災厄が起きるという予言(?)が話題になっていますね。
この噂は、海外にも広がっており、すでに香港の航空会社では日本路線の一部が欠航・減便されるといった影響も出ているようです。
発端は、1999年に出版された、ある漫画家の作品です。予知夢を収録したという漫画の表紙に「大災害は2011年3月」という文言があったことから「東日本大震災を予言していた」と、メディアやSNSで話題になりました。その後、2021年に再販され、そこに「2025年7月に日本に災厄が襲う」という予知夢が追記され、今回の騒動に繋がります。
1999年のノストラダムスも何も起きなかった。2012年12月23日のマヤの世界終末予言も外れました。それにしても、この手の話って13年おきに勃発するんですね…
ちなみに、2012年12月23日は、会社で仕事をしていたら、空模様がおかしくなったんです。太陽を突き刺すような妙な雲(?)が出現したのです。
FacebookにUPしたところ「ついに来るか!?」というコメントが殺到したことを覚えています。
みんな好きなんですね。
今回はいかに?
さて、どうしてこのようなデマが流布するのかが気になり調べてみたら「オルポートの法則」なるものにたどり着き、これが企業のリスク管理にも役立つと思い、今日の記事に記すことにしました。
組織内に「変な噂」が立つ企業があります。そんな職場では、社員は安心して働くことができません。それを防止する上で少し役立つと思います。
社会心理学のオルポートによると、デマが流布する法則は次の通りだと言います。
流言の流通量=「内容の重要さ」✕「内容の曖昧さ」
コロナ禍において、トイレットペーパーが店頭から消えたことは記憶に新しいと思います。
「中国のトイレットペーパー工場が生産中止するらしい」「マスク生産のためにトイレットペーパーが不足する」といった情報がSNSで拡散し買い付け騒ぎが起きました。
しかし、トイレットペーパーはほとんどが国内生産ですし、紙を主な原料としており、マスクの原料(ポリエステル)とは異なります。
まったくの誤情報なのですが、「トイレットペーパーのない生活は耐えられない」✕「情報の不確かさ」というオルポートの法則にはまり、デマが拡散し、店頭から商品が消えたというわけです。
さらに調べると、良い情報よりも悪い情報の方が6倍も多く流通するという研究も発見しました。(マサチューセッツ工科大学、Soroush Vosoughi)
話を企業経営に移しますと、悪い噂が流布する企業では、決算書などの情報開示がなされていないという特徴があります。
情報開示をしない経営者に話を聞くと「下手に情報を流すと、社員を不安にさせるから」と言いますが、逆で、開示しないから不安が増大し、ものすごいスピードで噂が流布してしまうのです。
子ども騙しのような行為はご法度ということです。
病院でも、子どもに注射をする際に「痛くないよ」ではなく「ちょっとチクッとするよ」と正しく伝えますからね。
さて、コロナ禍のトイレットペーパー騒動の沈静化に貢献したのは丸富製紙です。
同社が公開した1枚の写真があります。
情報を隠したまま「大丈夫だから」と言うと、さらに不安は増幅するものです。
正しい情報を1枚の写真でシンプルに伝えたということで、とても評価されました。
現代は、先行きが見えない、不安の時代ですので、情報開示の必要性はますます高まるはずです。
もし、情報を開示していないなら、今日の記事をきっかけに検討してみてはいかがでしょうか。
あ、明日は大丈夫ですよ。
なんせ、「総力特集 最終警告‼ 2025年7月 日本壊滅の大災難予言‼」という特集を先日組んだオカルト雑誌「ムー」が、ちゃんと8月号の予告を掲載しましたからね 笑。
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