目標を立てない方が上手くいっている企業では何が起きているのか?

企業が新境地を模索する時には目標は立てない方が良い

今、中小企業が抱える課題の中に「何をしたら良いのか分からない」というものがあります。
業務改善では解決しない、商売の形そのものを変える必要性に迫られている状態です。

例えば、新聞業界がそうです。
情報が溢れ返り、しかも良質な情報が無料で手に入ります。
生活者の欲求が多様化しているので、総合媒体だけでは事足りなくなりました。
予算も時間も限られているから、より自分の課題を解決してくれるメディアに偏ることになります。
もう、従来の商売の手法が通用しなくなった。
新聞を作って売る、仕入れて売るというスタイルから脱却して新たな業態に進化することが求められています。

中小企業を中心に、そういう状況に置かれている会社は多いと思います。
従来は、市場に明確なニーズ、しかも大規模のニーズがありました。
しかもそれは分かりやすかった。
今は、分かりやすいニーズは大手の市場です。

中小企業の市場は、お客様も気付いていないニーズだと思います。
提供されてみて「そうそう、こういうのが欲しかった」というものです。

そうなると冒頭の「何をしたら良いのか分からない」という課題を抱えることになります。

もし、自社が、何をしたら良いか分からないという状況にあるならば明確な目標を立てずに行動するのが良いと思います。
でも、そんなことをしたらあっという間にキャッシュが底をつくと思います。
なので、従来の仕事は継続しながら新境地を探るハイブリットな経営をしなければならないと考えます。

新境地の仕事は明確な目標を立てずに進めるのがベストだと考えています。
何をしたら良いか分からないのだから、目標の立てようがないからです。
せいぜい、「新たな分野を確立する」といった抽象的なものくらいなのですよね。

なので、色々と試してみるのが一番だと考えています。

スピードと柔軟性で自社にできることと、顧客のニーズを合わせる

中小企業が新境地を発見するためには、スピードと柔軟性(コロコロ変われる)ことが大切だと考えます。
新境地とは下の図解(重なった部分)だと思います。

自分たちにできることと、顧客が求めるものが重なった部分です。

なぜスピードと柔軟性が必要かというと、自分たちにできることが、実は自分たちにも分かっていないことが多く、そして顧客も自分が何が欲しいのかが分かっていないから、とにかく「やっては直し」の繰り返しが求められるからです。

もう少し詳しく書きます。
自分たちにできることというのは、今持っている資源を組み合わせたり新たな資源を取り入れてつくり出します。
例えば、新聞店は配達ができますし、チラシは入れ放題なので地域に情報を伝えることができます。
月に一度、集金をすることも貴重な資源です。
こうしたことは、自分たちにとっては当たり前のことなので、なかなか気づかないのです。
もし自社の商売が新聞を仕入れて売ることと考えていたらなおさらです。

資源を組み合わせて、誰かのお役に立てないか?と考えます。

ある新聞店では高齢者向けの買い物代行のサービスを開発しました。
しかし、やってみるとそんなに注文が来なかった。
その理由は、お客様の声から分かりました。

実は、お客様は買い物をしてもらうことよりも、買い物に出たいと思っていたのです。

一緒に買い物に行くとなると介護系の資格が必要になりますし、車両に乗せるとなると、その資格が必要になりますが、新聞店の資源が活用される領域です。

これはやってみたから分かったことです。

たくさんある「自分たちにできること」と、時代によって変わる「顧客も気付いていないニーズ」が重なった時に、新境地ができます。

やがてそれは、自分たちが「やるべきこと」企業の存在理由になっていくのだと思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

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