若手に司会を任せると、なぜ組織は育つのか?

会議の進行役(ファシリテーター)は誰が担当するのが良いでしょうか?
僕は、リーダーはやらない方が良いと考えています。理由は、うっかり仕切ってしまうから。そして、混乱した時に調整する人がいなく収集がつかなくなる恐れがあるからです。

そこで第三者に任せるわけですが、多くの企業で、リーダーの腹心に任せることが多いと思います。
それが悪いわけではありませんが、より適任がいると考えています。

それは「若手」です。
社歴が浅く、できれば年齢も若い人が務めた方が、色んな意味でメリットがあるのです。

❚ メリットその1:上司や先輩が「ファシられる」効果

優秀なファシリテーターがいると会議はスムーズに進みますが、本当に目指したい姿は、一人の進行役に頼ることのない自律的な組織です。

組織が成熟すると、メンバーが自律的に「ファシられる」ようになります。
「ファシられる」とは聞き慣れない言葉ですが、つまりは、ファシリテーターの意図を汲んで、各々のメンバーが、自ら良い流れを作り出すということです。

リーダーの腹心がファシリテーターをすると依存が生まれやすいが、若手の場合はそうはいきません。
頑張る若手の姿にエンパワーメントされ「自分がしっかりせねば」という責任感が生まれます。
すると、自然と「ファシられる」人が現れます。

当然、ファシリテーターを務める若手も育ちます。
これが伝統になると、自分が受けた恩を次世代に紡ぐ文化が醸成されるでしょう。

❚ メリットその2:広い視野で組織を観ることができる

若手がファシリテーターを務めることにより、組織全体の「俯瞰力」まで育成されるという嬉しい効果もあります。

最も会社を俯瞰できる存在は誰でしょうか?
社歴が長い人?…そう思うかもしれませんが、実はそうではありません。
正解は、社長と新人です。
社歴を重ねると、自分が受け持つ領域に意識が集中するため、全体が観えなくなる…「木を見て森を観ず」に陥ることが多いのです。

僕が経営支援で関わっている企業では、入社数カ月の10代の女性社員に進行役を任命しました。

僕が「彼女を任命した理由は?」と聞くと「視野が広いから」と言う。しかも、それを社長ではなく社員さんたちが僕に教えてくれるのです。

人選ひとつとっても、しっかりと考えている。しかも、人選に社員さんが参画していることが分かりますよね。
そして、その役割を期待されていることを知った新人さんは、とても嬉しそうでしたし、その目には、すでに責任者としての真剣さが宿っていました。

役割は、能力が身についてから与えるという考え方が一般的ですが、同社のように「能力を育てるために与える」という方法もあります。

任せ方を工夫することで、人も組織も同時に育っていく…一石二鳥のアプローチですので、参考にしていただければ幸いです。
 

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