「正直な理由」こそが最大の経営資源になる。
ここ数十年で経営ノウハウは飛躍的に進化しました。
そのジャンルは、財務、マーケティング、人材育成、組織開発、ブランディングなど多岐にわたり、誰もが書籍やセミナーで学べるようになりました。
便利ではあるんですが、世の常として、みんながやっていることは競争力になりません。
では、今の時代に、みんながやっていない希少なものとはどんなものなのでしょうか。
僕は、その1つに「正直」があると思っています。
モノが溢れる時代、企業が製品を開発する正直な動機、商品を仕入れる真の理由こそが、生活者が本当に知りたいことではないでしょうか。
それを正直に表明している企業の代表がバルミューダ社です。
「私たちがプロダクトを作る理由は、それを心から欲しいと思ったから」
HPでそう明記しています。
あなたが経営をする正直な理由。
あなたが製品をつくる、あるいは仕入れる正直な理由。
今はテクニックよりも「正直な理由」が最大の経営資源になります。
例えば、スーパーマーケットでありながら週休3日。全国から視察が絶えない繁盛店を経営する鈴木紀夫さんです。
彼の商品仕入れの基準は「自分が体験し、心から良いと思ったもの」一択です。
以前に、一緒に青森旅行に行った時のことです。どうしても寄りたい会社があるというので理由を聞くと、その会社がつくるリンゴジュースが美味しく、お客様にも飲んで欲しいから仕入れ交渉に行くというのです。
仕入れは見事に成功。
そして彼は、店頭のPOPに「私の驚きをあなたにも体験して欲しい」と、自分の思いを正直に書きます。
もちろん、その根拠…品質や鮮度、製法なども添えますが、それはあくまでも補足情報です。
一方、あるスーパーマーケットは利益の最大化を狙って、利益率が高い商品を、お客様の目につく優位地にズラッとたくさん並べています。
そして、POPには…
「利益率が高い商品をたくさん売って儲かりたいのです!」
と書くわけにはいきませんよね 笑。
正直に書けないので、嘘の理由を創作する企業が後を絶たないわけです。
「病気がちな母のために開発した」といった感動物語を紹介した後に、「30分以内にお申し込めば特別価格!」といった、一貫性のない広告を目にしますが、現代の生活者は作り話を見抜く目を持っています。
つまり、正直が最高の戦略というのは、商いに対する思いが試されるということなのです。
経営手法やマーケティングのノウハウは、今や誰でも学べるため、ノウハウそのものは独自性になりません。
独自性はノウハウではなく『理由』に宿る。
正直が最高の戦略…このシンプルで難しい課題に向き合うことこそが、他社には真似のできない唯一無二の競争力を生むと考えるのです。
そして、今日の記事を書き終わる時に思ったことは、正直を資源にする経営には「競争力」という言葉は似つかわしくないということです。
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