出る杭が打たれない組織…ケネディから学ぶ「多様性の実装法」

多様性という言葉は、2000年代に入ってから急に社会に浸透しました。
企業でも教育現場でも、もはや「なければ罪」というほど標準になりましたね。

多様性の議論は、主に差別の撤廃といった文脈と、ビジネス力の向上という文脈で語られています。

ビジネス文脈で多様性が語られるようになったのは、豊かな社会にあって、さらにその上を目指すためには相当な創造性が求められるからです。
例えば、自動車は、デビュー当時は、移動道具として注目されましたが、それが徐々に「もっと速く」「かっこよく」という欲求が生まれました。
さらに「エコだ電気だ」と進化し、今では「エモいクルマ」などという感性の世界に突入しています。

機能的価値から感性価値へ変遷しているわけですが、感性価値は非常にクリエイティブな領域です。
そこで求められるのが集合知…つまり三人寄れば文殊で、それは多様性から生まれることが分かっています。

今や、頑張れば成果が出るほど甘くはなく、頑張る前に知恵を出さなければ何も始まりません。
なかなか難しい時代ですね。

しかしながら、多様性といっても、色んな人を集めれば良いというわけではありません。
それは多様性の効果を得るための必要条件ではありますが、絶対条件ではないのです。

そこに「独立性」という、もう1つの条件が必要になります。

独立性とは、自分で考え判断し行動することを指します。

実は、このことは自然界では当たり前に行われています。
ミツバチは、蜜のありかを探す際に、各々の判断で四方八方に飛んで、蜜を探したハチが「八の字ダンス」を踊り仲間に知らせると言います。

そう考えると、「出る杭を打つ」日本の風土はなんとかしなければなりません。
周囲に合わせ、一糸乱れぬ編隊を組むのは得意で、だからこそ画一的なモノを大量生産して経済を発展させてきたわけですが、これからの時代はそうはいきません。

そんな私たちが、1人1人の独立性を担保するためにはどうすればよいのでしょうか。

ことは簡単ではありませんが、まず取り組むべき方法があります。
それは「書いてから話し合う」という方法です。

いきなり話し合うと、互いが互いの顔色をうかがい自分の意見を表明しません。すると、その集団において最も影響力を持つ人の意見に流されてしまいます。

この話をすると「書いてから話し合っても、結局は同じことが起きる」という意見もありますが、その場合はリーダーの「肩書の力」の使い時です。

具体的には、リーダーは話し合いの場に出席せずに、後で、話し合いの様子を報告をしてもらいます。もちろん、その際には、紙に書かれた1人1人のアイデアにも目を通します。
それらを客観的に整理し、最後はリーダーが意思決定します。
つまり、村社会から隔離された場を作り、意思決定の精度を上げるということです。

実は、これに似た方法を、かつてジョン・F・ケネディが重要な意思決定を行う際に採用しています。
ケネディは非常に人望が厚く、メンバーがケネディに忖度する傾向があったため、自分は会議には出ずに、この方法をとったと言われています。

三人寄れば文殊の知恵は、多様性と独立性の2本柱で生まれます。
リーダーは多様な芽が育つ土壌を整え、時に、そのために自らはその場から一歩引く勇気も求められると考えています。 

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