リーダーが育成すべきは個々の部下ではなく「仲間を育成する部下」である

育成すべきは個々の部下ではなく、「仲間を育成する部下」を多く育てること

リーダーがいっぱいいっぱいだと部下を育てることは難しいですよね?
ゆとりが必要です。
時間的にも仕事の量的にも精神的にも、ゆとりが欠かせません。
しかし、上司1人で多くの部下を指導するには相当なゆとり、それこそ一切の業務をしないことが求められます。
でも、実際はリーダーだって自分の仕事を持っている事が多く、難しいわけです。

僕は、そういう意味で、リーダーが部下を育成することは不可能とさえ思っています。

ではどうすれば良いのか?
育成すべきは個々の部下ではなく、「仲間を育成する部下」を多く育てることだと考えています。

ゆとりは自分で持たずに、部下に分散するのです。

さて、ゆとりがない代表格といえば教員だと思います。
公立学校の教員は、どんなに残業をしても手当がつかないから、仕事の量は増える一方です。
下手なブラック企業よりもブラックだと感じています。

ただでさえ忙しいのに、教員1人に対し子どもたちは30人以上います。
小学校の授業時間は1コマ45分なので、こども1人あたりに割ける時間は90秒しかありません。
でも実際は問題のある子などに偏るので、ほとんどの子は先生に関わってもらえません。
金八先生を見ると分かりますが、ほとんどの生徒は構ってもらっていません。
多くの生徒はエキストラです(笑)

企業も似たりよったりだと思います。
見て感動するのは良いが、リーダーはお手本にはしない方が良いと思います。

部下が自分のゆとりを主体的に活用するためには

そんな構造的な問題を、子どもたちにゆとりを振り分ける方法で成功している学校があります。
先日、観たドキュメンタリー映画「みんなの学校」の舞台になった大阪市立青空小学校です。

同校は、1人も見捨てない教育に本気で取り組んでいることから発達障がいを持つ子の割合が多いと言います。

当然、教員の力だけでは不可能です。
地域のボランティアの協力もありますが、この教育の立役者は子どもたちです。
映画のタイトルにあるように、1人1人に主体性を持たせることに力を入れています。
何か問題が起きた時に、「私には関係ない」という態度ではなく、自分事とする教育をしています。
そうすることが全員にとって利益があります。
社会に出た時に求められる、チームで主体的に課題を解決する能力を習得できるからです。

自分事になると、各々がゆとりを問題解決に使うようになります。

つまり、教員が1人でゆとりを持つ必要がなくなるのです。
ゆとりを持とうとせずとも、勝手にゆとりができるわけです。
ゆとりは優しさと的確な判断、創造力の源泉ですから、リーダーはさらに良い対応、良い判断ができるようになる。

企業にも同じことが言えると考えます。

「部下の育成はリーダーの仕事だろ」が共通認識のチームは、上司はゆとりを持つことができずイライラするし、的確な判断ができなくなります。

部下が持っているゆとりを使う、そのためにチーム内で起きる問題に対し当事者意識を持ってもらうことが大切です。

当事者意識を持つためには、1人1人が当事者であることに気づいてもらう事が有効だと考えます。
紛れもない当事者のはずなのですが、自分の事しか見えていないと当事者であることを忘れてしまいます。

チーム全体の流れを観て、個々がどのように連携して成果をつくっているかを定期的に確認することが有効です。
「自分ができても、次工程ができなければ誰も得をしない」と知ることです。

リーダーは自分にゆとり持つことが大切ですが、そのための最も有効な方法は、部下のゆとりを活用することです。

それでは今日も素敵な1日を!

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