無礼は伝染し組織を腐らせる。経営リスクとしての態度教育

僕の研修はグループ対話を多用しますので、話しやすい雰囲気づくりは生命線とも言える大事なんですね。
参加したことがある方はご存知だと思いますが、グループ対話中には、話し合うテーマにあったBGMを流すなどの工夫をしています。

最近では受講者に「話しやすい場をにするためのルール」を考えてもらっています。
すると次のようなものが上がります。

・意見は否定せずに最後まで聞く。
・発言者の方を見る。
・リアクションをする。
・あいづちを打つなど、元気が出るストロークを与える。

どれも特別なことではなく、小学校で習うようなことですよね。
しかし、これらは企業の未来を決める一大事なのです。

どういうことでしょうか。
それを考える上で、真逆の対応…つまり、話しづらい態度を上げて考えてみたいと思います。

・途中で話を遮る。
・発言者を見ずに、目を閉じて腕を組んでいる。
・リアクションがない。
・発言中にため息をついたり嘲笑する。

まあ、要するに「無礼」な態度ということになりますが、恐ろしいことに無礼は伝染するのです。
無礼が蔓延した組織では意見など言えたもんじゃありません。

エジソンは「1%のヒラメキと99%の努力」という言葉を残しています。これを「努力が大切」と勘違いする人が多いようですが、真意は「1%のヒラメキがなければ努力のしようがない。しかし、ヒラメキが起きても努力しなければ成就しない」ということです。

無礼が伝染すると、場の雰囲気は破壊され、ヒラメキも継続的な努力も出来なくなってしまいます。
さらに、無礼な扱いを受けると、他人に協力する人は3分の1にまで減ると言われています。
無礼が伝染すれば、協力体制は崩壊し継続的な努力など夢の話となるでしょう。

ちなみに、研究によると、アメリカでは無礼による経済損失は、年間で56兆円にものぼると言われています。(クリスティーン・ボラス「Think CIVILITY」より)

もし、無礼が蔓延していたら、何事にも優先して対策しなければなりません。
その方法は、とりも直さず「態度を改める」というものです。「信頼関係をつくる」などといった、実態が掴めないことに着手しても効果はありません。
良い態度を増やし、「仲間が自分を受け入れてくれた」という記憶を上書きしていくのが最も効果を発揮します。

最後に、素晴らしい「聞く姿勢」の企業の写真をお見せします。
時々、当ブログで紹介する「ニシザキ工芸株式会社」の研修中の風景で、奥にいる方が社長です。
講師である僕の側から撮った写真ですが、社長が話をするまでは、全員が僕の方を向いていました。それが、社長が話し始めた瞬間に、体ごと向く方向を変えたのです。

これは、社長に対しての特別な態度ということではなく、仲間同士でも同じ対応をするのです。
これが同社の快進撃の礎であることは間違いありません。

こんな風景が羨ましいと思った方は、今日のブログを社内で共有してください。
そして強権発動でも構わないので、組織の作法にしてください。
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