大好きな社員が、大嫌いにならないために。

世の中には、僕のことが嫌いな人がいますが、その中には、それまでは、僕のことが大好きだったという人もいます。
突然、大好きが大嫌いに変わったのですが、これは企業において、上司と部下の間でも起きることです。

今日の記事では、そんな悲劇が起きる前に対策を、ということで書きました。

結論を先に出すと、大好きが大嫌いに急転する原因は、依存にあります。

恥ずかしいですが、僕の失敗を紹介しますね。
僕は、30代の頃、面倒見が良い社長が優れた社長と思っていました。日々、社員が仕事で悩んでいないかマメに声をかけて回りました。
社員から相談をされると、僕を頼ってくれることが嬉しかったものです。
そんな状態ですので、基本的に会社にいることが多く、出張の際にも、しょっちゅう電話がかかってきました。
社員からの評価も上々でしたし、頼られる自分がかっこいいと思っていました。

しかし、この時は気付かなかったのですが、僕と社員は共依存関係に陥っていたのです。

ある時、関係は一変しました。
新規事業の立ち上げの最前線に立ち、社員にかまっていられなくなった途端、大好きが大嫌いになったのです。
それを見た僕も、社員が大嫌いになってしまいました。
依存が断ち切られると、愛は憎悪に変わるんですね。

中国の古典「荘子」に「君子の交わりは淡きこと水の如し」という一節があります。
賢人の付き合いは、水のようにさらさらしているということです。「関係を保つために関係を持つ」という僕のあり方とは真逆ですね。

この出来事を機に、まとわりつくような関わり方を改めました。

僕は、荘子の「水の如し」のメタファーを参考にしました。
水というのは、必要不可欠だが、喉が乾いていない時は、そんなに重要と認識されないものです。
そして、自然に身を任せ、居るべきところに居ます。しかし、ずっと同じ場所にいると淀みます。

具体的には、仕事の話よりも雑談を多くしました。1人で集中したい時は応接室にこもるのですが、ドアだけは開けっ放しにに、いつでも社員が入ってこれるようにしました。

すると、用事や相談があれば社員の方から話しかけてくるようになりました。しかし、話を聞くだけで具体的な解決策は提示しないようにしました。
僕よりも、現場を知っている社員の方が絶対に良いアイデアを思いつくはずだからです。
考え方だけアドバイスし、「仲間に相談してみれば」と言って離すようにしました。

水に例えるならば、僕のところで滞りドロドロと淀んでいた水が、仲間の方に流れが分散したのです。

水ということで言えば、「水くさい」「親子水入らず」という言葉から分かるように、水とは「他人」を意味します。
互いのことはよく知っている。同じ未来を目指す同志の関係になっている。それでも基本的に他人である…そんな水のようにさらさらしている関係が良いのかもしれませんね。
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