否定的な意見をチーム前進の推進力に変える思考術

職場に、他人のエネルギーを奪う人はいなでしょうか。
ミシガン大学のウェイン・ベーカーが、職場におけるタイプを調査した結果、太陽のように、周囲に元気を振りまく存在と、光を奪い取るブラックホールのような存在がいて、その分布比率が銀河系によく似ていたと言います。
職場は宇宙の縮図なのでしょうか?
驚きですね。

他人のエネルギーを奪う行為にはどんなものがあるでしょうか。
とうことで、ChatGPTに聞いてみたら、次のような項目があがりました。

「他人の悪口・陰口を言う」「”どうせムダ” ”無理だ”などの否定的な言葉ばかり言う」「仲間の成功を喜ばない」「自主性を尊重せず、全てコントロールしたがる」「噂を流す」「感謝、ねぎらいがない」

当てはまるものがあれば厳重に戒める必要がありますね。

さて、悪気はないのに他人からエネルギーを奪うケースもあります。
それは「問題点だけを指摘する」というものです。
ミーティングでは前向きなアイデアが欲しいのに、「時間がない」「スキルが足りない」「予算が足りない」などと障害ばかり出す人はいないでしょうか。
確かに、こうした言動はエネルギーを奪うのですが、課題を浮き彫りにすることは組織活動において欠かせないことです。

組織が高いパフォーマンスを発揮するためには、次の4種類の役割が必要と言われます。

1、ビジョンやアイデアを出す「アイデアパーソン」
2、ビジョンやアイデアの実現を企てる「実務家」
3、良好な人間関係づくりを促す「社交家」
4、計画や行動の検証を行う「分析官」

この中で、「分析官」は想定されるリスクを予測し課題を浮き彫りにするので「否定的な人」のレッテルを貼られがちです。

良かれと思って提案したことが「良からぬ」と評価されたら本人は腐ってしまいますし、組織にとっても大きな損失になります。

ネガティブな情報を成長の推進力にするためには、ひと工夫が要ります。
その実務として紹介したいのが「情報の反転」です。
ネガティブな情報が出たら、それを付箋に書きとめます。1つの情報を1枚の付箋に書くので、何枚も付箋ができることになります。
ズラっと並んだ付箋を見ただけで気が滅入りますが、ここからが作戦の本領発揮です。

1つ1つの付箋に書いていることを、すべてひっくり返すのです。
例えば、「時間がない」という項目に関しては「時間ができている」という表現に転換し、それを別の付箋に書きます。
次に、「どうすれば時間ができるか?」と問いを投げかけ、時間創出のアイデアを出します。
このように、ネガティブな情報を組織の推進力に変えてしまうのです。

「予算がない」という項目に関してはどう対応すればよいでしょうか。無いものはしょうがないわけですので、「限られた予算の範囲内でできている」というひっくり返し方をします。

この方法を実践する注意点は、とにかく情報を付箋に書くことです。書かずに話し合うと、人間と人間が対峙する構図になり、衝突の発生率が高まります。
出た意見を付箋に書くことで人と意見が分離されます。付箋を見て話し合いをすれば、同じ方法を目指す同志の関係になりやすいのです。

先ほど、4つのタイプを紹介しましたが、どのタイプも、時に光を放ち、時に光を奪ってしまう存在になり得ます。
ネガティブな声は封じ込むのではなく、建設的に転換する力こそ、健全な組織をつくる鍵になると考えます。
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