お金や出世で動かない現代人を惹きつける「シン求心力」のつくり方

指示ゼロ経営を「指示命令のない会社を目指す」「指示命令をしてはいけない」と考えていたら、それは大きな誤解です。

本質は、社員さんと一緒に「いい会社」をつくる過程で、メンバーの自発性と組織の自律性が育ち、気づくと「指示命令の必要がない」という状態になっているということです。

指示ゼロ経営のしくみはとてもシンプルです。

「人は、意義を感じ、実現したいと思うことに時間と能力を捧げる」

この自然な理を礎に組織運営を行います。

ところが、少々ややこしいのは、現代人が感じる「意義」が昔と変わってきているということです。以前は、モノの欠乏という大きな課題を抱えていたので、「より多く稼ぎ豊かな生活を手に入れる」ことが意義だったのですが、今はそうではありません。

これは、賃金や出世で釣ることができない、つまり「コントロールが効かなくなった」ということを意味します。

これからは「組織のビジョンやミッションへの共感」しか求心力になりません。
マネジメントが文字通り180度変わるのです。

このことを家族旅行で例えてみると分かりやすいと思います。
米澤家は長野県に住んでいますが、ゴールデンウィークに出雲に家族旅行に行くと決めたとします。
妻の「出雲大社に行きたい」という強い「願い」「想い」が発端となり、家族会議が開かれます。妻は決して強制はしません。自分が行きたくても家族がなければ楽しい旅行にならないからです。思いを伝える…押した後は引くのです。
話し合った結果、家族内に共感が生まれ、「よし!じゃあ、出雲に行こう」となりました。

家族みんなが「出雲に行きたい」と願っていれば、旅程の計画や交通の手配はみんなが主体的に関わってくれます。
グルメに興味がある妻が宿やレストランを探し、地理に詳しい僕が航空券などの手配をし、計画立案が得意な娘が旅程づくりをと、適材適所の役割分担が自然と起きるでしょう。
もし、悪天候などで旅程を変更せざるを得ない事態に直面しても、代替案は素早く出ます。

旅行の事例を経営に置き換えると次のような要件が抽出されます。

・「米澤家は長野県に住んでいる」→「現在、自社が置かれている状況を構造的に正しく把握する」
・「みんなが出雲旅行を望む」→「自社が目指す未来に、みんなが意義を感じ実現を望む」
・「宿や交通手段、旅程づくりなどの役割分担がきまる」→「適材適所のチームワークが自律的に発生する」

これが、共感に基づく組織運営のパラダイムです。

古いパラダイムでは、意義を感じない行きたくもない旅行に、メンバーが「しょうがない」と妥協で参加しています。
部下に主体性が足りないので、宿や交通手段、旅程づくりはリーダーがやって、役割を部下に割り振りますが「なんで私がこんな役割を?」と不満を口にするメンバーもいるでしょう。
そもそも他人事なので仕事に身が入りません。
そこでお金や出世で釣るのですが、興味を示さず空振りに終わります。

経営を旅行に例えると、指示ゼロ経営の「社員さんと一緒に”いい会社”をつくる過程で指示命令がなくなる」という本質がイメージできるのではないでしょうか。


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