味気ない経営計画書が「実現したくてウズウズする」に生まれ変わる

年度末を迎え、経営計画を立てている方も多いと思います。きっと社長はワクワクしながら書いていると思いますが、その10分の一も社員に伝わらないと思った方が良いと思います。
実際に、経営計画発表会の1週間後なのに、社員が今期の売上高はおろかスローガンも言えないという場面に、僕は何度も立ち会ってきました。

その原因は、社長のプレゼン下手でも、社員さんにヤル気がないわけではなく「つくり方」にあることが多いと感じています。つくり方を改善するだけで、相当に魅力的なものに生まれ変わります。

計画書には「思い」→「方針」→「ビジョン」→「ビジョン実現の方法」の4部構成で成り立ちます。
Google社で言えば、「世界中の情報に誰もがアクセスできるプラットフォームを創りたい」という「思い」を、インターネット空間で実現するという「方針」があり、その開花のイメージである「ビジョン」があり、最後に段取りと作業の話が来るという構成です。

ぐっと来る計画書をつくる最大のポイントは「ビジョン」です。
多くの計画書が、ビジョンと言いつつ、全くビジョンになっていないことが多いのです。
どういうことかというと、ビジョンとはその名の通り「視覚」を伴うもので、「目を閉じると未来の”その日”が動画で再生されるもの」と僕は定義していますが、そうなっていないものが多いのです。
「動画」…つまり動くものが必要ということです。「地域一番店になる」では動きを捉えることはできませんね。

動くものとは何でしょうか?
「風にゆらめく木々の葉」でも良いのですが、心を動かすとしたら「喜びみ満ちた人の動き」だと思うのです。
登場人物は4人です。

・顧客
・自分
・仲間
・自分の大切な人

❚顧客
商いは、お客様に喜ばれ支持されることで成り立ちますので、お客様の成功イメージは必須です。設定する顧客は、「この人に喜んでもらいたい」と心から思える「実在する人」がお勧めです。

❚自分
社長が望むことを、いくら熱弁したところで、社員が無関心であれば実現は難しいでしょう。会社のビジョンとともに、望みを叶えた社員さん1人1人が登場することで経営計画を自分事にします。
❚仲間
仲間の望みを知ることで、互いに対する共感が生まれます。そして、「1人1人の夢を実現する最も有効な方法は共創・協働である」という機運ができ、上質なチームワークが形成されます。

❚自分の大切な人
僕の親友に、バンクーバーパラリンピック、アイススレッジホッケーで銀メダルを獲った馬島誠くんがいます。
彼の言葉に、僕の人生に多大な影響を与えた金言があります。

「辛いことがたくさんあるこの世界で、自分のためだと言い聞かせても、大抵、自分で逃げるように自分で限界をつくる。そんな時は、大切な人の笑顔を想像する。この人を笑顔にするために、今、辛いんだと思うと、もうちょっとやってみようと思える。その繰り返しなんだと思う」

今ある計画書に4人の登場人物を盛り込むだけで「躍動感あふれるドラマ」になるはずです。
とても効くので、是非、お試しください。

ビジョンデザインのワークショップもやっていますので、ご活用ください。

というわけで今日も素敵な1日を!


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