「職業=自分の名前」という生き方

「自分らしく働く」ということが盛んに言われるようになったのは、おそらくバブル経済の崩壊後だったと思います。
人は、一定の豊かさを手に入れると幸福や哲学などを考えるようになるんですね。
例えば、第二次産業革命の恩恵を受けた19世紀終盤から20世紀初頭にかけて「三大幸福論」と言われる3冊の書籍が出版され大ヒットしました。

時代の必然とも言える「自分らしく働く」ですが、一方で、これを実現している人はそんなに多くないのではないでしょうか。

どうすれば「らしく」を日々の仕事に実装できるのか?
今日は、僕がお世話になっている服屋さんから学びたいと思います。

彼は、服飾系の専門学校を出て、20代後半で自分のお店を開業しました。服が大好きで、服について語り出したら話が止まりません。
特筆すべきは、その時の彼は、相手に服を買って欲しくて話をしているわけではないということ。つまり取引の意図はないということです。

「伝えずにはいられない」という衝動に突き動かされているのです。

彼は、服の仕入れをする際に、「この服は◯◯さんに着て欲しい」と、服と顧客をセットにして買い付けを行っています。
そして、写真がLINEで送られてくるのです。

「この服は、絶対に米澤さんに似合うと思う」と。

彼のビジネスは「伝えずにはいられないコンテンツを、伝えずにはいられない相手に届ける」という原理で営まれています。
服への愛と、顧客への愛に基づく商いなのです。

打算がないからこそ、顧客から信頼され、結果的に抜群に売れる。さらには在庫リスクもないし、販促コストも最小限で済むのです。

また、彼は服飾を中心にしながら、音楽や雑貨など、自分の世界観を表現する分野への展開も行っています。
彼の職業をひと言で表すのは難しく、ついに僕が名付けたのは「職業、若尾浩和」という名称です。

職業が自分の名前になった人のことを「天職を生きている人」と呼びます。

天職に出会うには、自分の知能タイプを知ることが大切だと思います。
知能には、次の4つがあります。

1、コンセプトや世界観を創造するのが得意なタイプ
2、経営の仕組みを作るのが得意なタイプ
3、人間関係の構築が得意で、家族的、サークル的な組織づくりや、顧客コミュニティづくりに長けたタイプ
4、商品、技術の質を極めるクラフトマンタイプ

件の服屋さんは、1と4が優勢ということになります。ちなみに僕も、1と4が優勢、少し2もあると自覚しています。

自分に適した知能に基づく「伝えずにはいられない」と思うコンテンツがあること。
そして何よりも大切なことは、それを伝えずにはいられない相手がいることです。そうでなければ単なる自己満足の趣味で終わってしまいます。

職業は?と問われれば、自分の名前を答える。
そう考えると「使命」と「氏名」が同じ発音であることに、とても深いロマンを感じるのです。

そして、それは経営者だけでなく、工夫次第ですべての人に可能性があると信じていますし、その実現が指示ゼロ経営の本懐なのです。
 

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