その問題は、仕事を「人生を費やすに値するもの」に変えることで解決する

先日、近所の商店主が、「今の時代の商売は難しい」と言っていました。
御歳70歳の方なのですが、昔、1970年代は、朝、商品を並べておけば夕方には売り切れていたと言います。

今、生活者はひと通りのモノを手にしたため、並べておくだけでは売れません。
知恵=創造性が求められるようになりました。
商品・サービス開発にも、接客にも、お店のデザインにも、あらゆるところで。

ここ数年間、「日本の賃金が上がらない問題」に悩まされています。
加え、物価高の影響を受け、家計が圧迫されています。
政府は、何とかして、「一時的にでも」成果を出そうと奔走しています。
首相官邸ホームページには、「成長の果実を分配する」と明記されていますが、成長を飛び越して分配から手を付けています。

この方法は、インフレから社員を守るための一時的な措置としては有効ですが、持続的な賃上げを実現するものではありません。
世の中にお金が回っても、先行きが見えない、不安が先行する時代では貯蓄に回るだけと思います。
また、モノに満たされているので、付加価値の高い商品・サービスを開発しない限り、お金が使われることはありません。

政府にはがんばってもらいたいですが、企業は、付加価値の高い経営を目指すことが大切です。

そこで、キーワード になるのが「創造性」です。
創造性は、愉快でワクワクと物事に没頭している時に発動します。「フロー」や「ゾーン」のように、何かに全身全霊で取り組んでいる時に、気付けば発動しています。

そんな状態で、夢中になった「結果」創造性が発動します。
だから、仕事に夢中になり、没頭してしまう組織環境が重要になるというわけです。

そのお手本はSONYだと思います。
SONYの創業時、1946年に書かれた「設立趣意書」の会社設立の目的の一番目に、次のような文言が記されています。

「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」

「世の為、人の為」ではなく、自分たちが愉しく働くことを最優先にしています。
それが創造性を発動させ、付加価値の高い経営を実現しているのだと思います。

これからの時代で、繁栄を目指すなら、仕事の行為そのものが愉しく、夢中になってしまう環境づくりが欠かせません。

□物事を自分で決めることができる。
□協働がある。
□協働する中で自分の居場所ができる。
□協働する中で、仲間に感謝、尊敬できる。
□お客様に喜ばれ、ありがとうの「心のごちそう」がいただける。
□失敗を責められず、思いっきり挑戦できる。
□成長を実感できる。

こうした喜びが得られる職場環境です。
こうした環境で生き、愉しい時間を送ることは、何にも代え難い、人生の大事だと思います。
創造性や、その先の収益の手段ではないと思います。
「結果として」創造性や収益が生まれるのです。

利益が上がった時に賃金が上がることも大切です。
その賃金は「おひねり」です。
社長からもらうお駄賃ではなく、自分たちの創意工夫で得た、顧客の喜びや驚き、感謝の気持ちが乗ったお金です。

おひねりは組織風土を活性化します。

もしかしたら、こうした世界は理想論と映るかもしれませんが、実際に実現している企業があり、僕の新刊で紹介しました。
時間はかかりますが、必ず実現できると、僕は信じています。

本当に価値ある、素晴らしい世界がきっと拓けると思いますよ。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!


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