「自律型組織が必要だ」という動機では、自律型組織が実現しないワケ

ここ数年、トップダウン経営をしている企業の不祥事が目立つようになり、自発的に考え行動する経営…いわゆる自律型組織が注目されているのを感じています。
不祥事がなくても、自発的に動いた方が良いことは自明ですしね。

しかし、僕は、「必要だから導入する」という動機では上手くいかないと考えています。
環境が変わったから必要とか、リーダーが望むからという外発的な力で動いていたら、決して自律性は発揮されません。

自律性は、自らが「やりたい」と思った時にのみ発動するものです。
だから、最初は必要性を感じ始めようと思ったとしても、やがて内発的な動機にシフトすること…社員みんなが「やりたい」と心から思える取り組みを設定することが求められるのです。

こう言うと、「普段から、儲けて金持ちになろうと言っている。そのための制度も整えた」と言うリーダーがいます。
金持ちになることなら、みんなが望むだろうと考えているのですが、それは大した動機づけにはなりません。

業績(売上総利益)が上がれば賃金は上がります。
しかし、業績向上は、正しいプロセスがあって実現します。そして、プロセスは長い道のりです。

プロセス自体を「やりたい!」と思え、心から愉しめるような環境設定が大切だと考えるのです。そうじゃなきゃ、途中で嫌になってしまいます。

こう言うと、「細かなプロセスに対し、社員を評価している」と言うリーダーがいます。
しかし、それは、プロセスを愉しんでいるわけではなく、評価によって「動かされている」状態です。

プロセスが愉しくなるための要件は次の通りです。

・適度な難易度の取り組みである
・自分(たち)で決め行動することができる
・行動した結果(フィードバック)を素早く得られること

プロセスには、「誰かに喜ばれる」という要件が欠かせないと考えています。
仲間や上司、お客様に喜ばれることは、「関係性欲求」という人が持つ強い欲求を満たします。

同時に、売上・利益などの数値的な成果の源泉です。
喜ばれる商品・サービス、喜ばれる接客、喜ばれるデザインなど…喜びの集積が数字に化けるからです。

喜ばれることして仕事を愉しんでいると数値的な結果が生まれる…愉しいプロセスが長期的な繁栄に繋がるように設計するのが経営だと考えます。

今だからこそ、「愉しみの経営学」とも言うべき因果関係をつくることが求められると思っています。

というわけで今日も素敵な1日をお過ごしください!

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