「部下を信頼する」と言いつつ、経営体制が真逆の会社は意外と多い

僕は、「部下は一切、信用しない」と言う経営者に会ったことがあります。
人数にして数名ですが、キッパリと断言する姿から、ある種の清々しさを感じたことを覚えています。
同時に、その方たちの経営スタイルを見て、僕は信用と信頼に基づいた経営をしようと決意を固めたのです。

部下を信用しないと断言する経営者を、ミシガン大学社会調査研究所所長、リッカートは「独善的専制型」と名付けました。

特徴は、次の通りです。
・部下を信頼せず意思決定に参加させない。意思決定と管理機能はトップに集約されている。
・部下を、アメとムチで動かそうとする。時に、恐怖・脅迫・懲罰を加える。

これを見ると、「酷い経営者だな」と思う人が多いと思います。

では、次のような経営をどう思うでしょうか?

・全体の作業を、細かい作業単位に分解する。
・細かく分解された作業単位に対し、最も良い方法を開発する。
・分解された仕事に対し、適切な人材を雇い入れる。
・一定の速度に従い、決められた仕事を遂行するように、タイムマネジメントを強化する。

これは、多くの会社で行われている管理法だと思いますが、実は、「独善的専制型」の典型的な手法なのです。

単純作業であれば効果を発揮しますが、知恵と創造性の要る仕事には向きません。

先日、ビッグモーターの店舗社員が、顧客へのお詫び活動を行っていることが報道により明らかになりました。
本部からの指示で、1日あたり電話15件、ハガキは5件出すように決められていたと言います。
この「ノルマ」ができない部下に対しては、上司から叱責のメールが来たと言います。

押し付けるものが、営業目標か、お詫び活動かの違いはあれど、経営の本質はまったく変わっていないことが分かります。

全体の作業を、細かい作業単位に分解し、最も良い方法を開発し、社員に指示を出した…まさに独善的専制型リーダーの発想です。

こうした管理下で書いた手紙は、数のノルマをこなすことに意識が奪われ、顧客を慮ることはできないでしょう。
お客様の心に響くとは思えません。

不信頼のパラダイムで生きている人は、どう発想しても、こういう方法しか思いつかないのだと思います。

リッカートは数々の研究から、長期に渡り成果を出すリーダーは「集団参画型」だと明らかにしました。
特徴は次の通りです。

・リーダーは部下を全面的に信頼し、意思決定に参画してもらうが、バラバラにならずに統合されている。
・コミュニケーションは上下のみならず同僚間でも活発に行われる。
・部下は全面的に参画が認められ、動機付けられ、広範な相互作用が確保される。
・評価と統制は全ての階層(現場)で完全に行われる。

働く人たちが、イキイキとし、仕事から幸福を感じることができる経営です。

僕は、こういう世界がもっと広がれば良いと願い、これからも活動を続けていきます。

集団参画型の組織ができるまでには時間と根気が要ります。
しかし、正しい手順で行えば、必ず報われます。

一緒に学び、実践を続けていきましょう。

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