お駄賃ではなく、「おひねり」をもらえる会社では社員が育つ

僕の新刊「賃金が上がる!指示ゼロ経営」は、昨今の賃金問題を扱いました。
お読みいただいた方は、本の中で登場した「おひねり」という言葉に印象を持たれたと思います。

やらされ仕事でもらう賃金は「お駄賃」
自発的に取り組み手にした賃金は「おひねり」

今日の記事で解説しますね。

リーダーが部下を褒めて育てているうちは本当に逞しい人材にはならないと思います。
褒めることが全て悪いわけじゃないけど、褒め続けないとヤル気を保てなくなるのが問題です。
他人に褒められなくても、自分でヤル気を発電できるようじゃなきゃ一人前とは言えないと思います。

「一人前」とは、自ら考え決め行動し、行動したことによる変化をキャッチして次に活かせる人」…僕はそう定義しています。

そして、どうすれば一人前になるかと言えば、取りも直さず、相手を一人前として扱うことです。

では、具体的にはどうすれば良いか?
キーワードは「おひねり」です。

報酬にはお駄賃とおひねりの2種類がある

世の中の報酬には2種類あります。
1つは「お駄賃」もう1つは「おひねり」です。
お駄賃は誰かのコントロール下に置かれ、支配者の命令・依頼を「期待通りにこなした時」にもらえる報酬です。

おひねりは、自らが創造した価値で、相手が「期待以上だった」と感じ、驚きや喜びが乗った報酬です。

僕にこの概念を教えてくれたのは、ワクワク系マーケティング実践会の小阪裕司先生です。
「おひねりを貰えるようになって一人前の商売人」…そう言われました。
だから、ニーズに応えているうちは一人前じゃないと言います。

クリエイティブな商人はお客様の期待を超えた価値を提供します。
お客様に「そうそう、これが欲しかった」と言わせたら合格。

僕は、この教えに沿って商売を進化させました。
例えば、僕が経営してきた会社は新聞販売店ですが、休日の朝は、地元のパン屋さんの焼き立てパンを宅配したことがあります。
ただ宅配するだけじゃ面白くない、コンセプトが必要だと考え、行き着いた結論が「リゾートホテルの朝」でした。
お客様はリゾートホテルのコテージに滞在され、そこに朝、新聞と一緒にルームサービスが届くという物語です。

架空のホテルの詳細を描くなど徹底しました。

お客様からは珍しがられたし、喜んでももらえました。
その時にいただいた代金は、まさにおひねりだったと思いますが、僕はそれによる大きな変化を捉えました。

それは、このサービスに携わった社員と業者(パン屋さんなど)が勝手にヤル気になったことでした。

自ら仕事を創造し、その変化・成果をキャッチして育っていく

僕はそれまで、社員のヤル気は社長のコミュニケーション、人間力だと思っていました。
もちろん、それも影響しますが、それ以上に「環境」だという事に気づいたのです。

それが「自ら考え決め、行動し、行動した結果を自分でキャッチする」という環境です。
パンの宅配事業は、僕は素人なので専門家に指導を受け、ゼロベースでみんなで考え行動しました。
その結果、お客様に喜ばれたことが自発性の要因だったのです。

これは、新聞配達という単純作業にも当てはまります。
新聞配達の基本は、「同じ時間に」「同じ場所(ポスト)に」「決められた銘柄を」お届けすることです。
これができればお駄賃はいただけます。

おひねりをいただくためには、プラスαが必要です。
それを配達員の皆さんと考えました。
すると、晴れた日は、ポストから新聞が取り出しやすいように浅く入れる、雨が振りそうな時は奥まで入れるというアイデアが出ました。

このちょっとした気遣いに気づくお客様がいます。
しかし、わざわざ電話なり手紙なりで感謝の気持を伝える人はいません。

そこで、こちらから積極的に聞くようにしました。
具体的には、自社発行のニューズレター(手作りの情報紙)にお客様の声を書く欄を設けました。
すると、気遣いに気づいたお客様から様々なお声をいただくようになりました。

お客様のお声は、社長の褒め言葉よりも社員のヤル気に火を付けました。

自分たちで考案したサービスによる嬉しい変化…おひねりです。

□社員さんは自ら仕事を創造しているか?
□行動したことによる変化をキャッチする仕組みがあるか?

おひねりは社員が自律的に成長する最大の要件だと考えます。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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