社員が使う言葉を聞けば、企業の成熟段階が分かる

自分軸がない人は「◯◯せねば」「◯◯すべき」という言葉を多く使います。
自分の意思とは関係なく、他者・外部からの評価、基準や置かれた環境で判断することが多いからです。
「他律」と言い換えることができます。

対し、「自律」の人は「◯◯したい」「◯◯しよう」という主体的、能動的な言葉を使います。

勿論、こういう人も最初からそうであったわけではなく、他律の中でぐらついたり、他者から影響を受けながら徐々に自分の軸ができてくるのだと思います。

「他律から自律に」に進化するのです。

ところが、さらに進むと、使う言葉が再び他律になるのです。
「すべき」と。

他律→自律→他律

これは、退化しているのではなく進化…視点が広くなった時に起きる現象です。

この現象は僕が経営してきた新聞店でも起きました。
僕が3代目に就任した当初、経営の目標は唯一「自社の成長」でした。
「何のための成長」といった目的もなく、ただ漠然と成長を続けるものだと考えていたのです。
自分軸のない他律で、使う言葉には「すべき」が多かったと思います。

やがて、数字的な成長よりも、いかに仕事を愉しむか?お客様に喜ばれるか?といった、価値重視の経営に変わりました。
自律の段階に入ったのだと思います。
会議では、「こんなことがしたいよね!」といった言葉が多く使われました。

その後、創業80年を過ぎたあたりで、地域密着型の商売は、地域が繁栄しないと自社も繁栄しないことに気づきました。
視点が広がったのです。

最初は自社だけ。
次は自社と顧客。
その次は、地域全体。

新聞店は高密度で地域の人々と関わっています。
密度だけでなく頻度も高いのです。

そこで、新聞を配りながら独居老人の見守りをしたり、クリスマスに高齢者に「突撃プレゼント企画」やったり、を地域の課題解決のためのワークショップを開いたりと、業態が変わっていきました。

行政から地域づくりのお仕事をいただくようになり、収益構造も変わりました。

この辺りから、社員が使う言葉が「すべき」と他律に変わりました。

「地域の中で自分たちがすべきこと」という使命感を帯びた言葉です。
大きな枠の中で、自分たちに期待されていることがあると感じていたのです。
この中には、自分たちがやりたいことも含まれています。
変な正義感はなく、地域の人たちと一緒に愉しんでいる、とても良い雰囲気でした。

企業のステージが1つ上がった瞬間だと感じました。

使う言葉は企業のステージを表すバロメーターみたいなものだと思います。
それは、どの範囲で物事を観ているかで決まります。
広がるほどに使命を帯びるようになると思います。

範囲は、無理をしなくても時間とともに広がると思います。
広がるべき時期に次のステージに行くために、問題発生という形で気付かせてくれると思います。

というわけで、今日も素敵な1日をお過ごしください。

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