PTAを廃止した学校から学ぶ、企業に活力を漲らせる方法

「PTAを廃止し、ボランティア制にしたら、みんなが楽しく活動するようになった」

最近、このニュースに注目が集まっています。
経験者なら分かりますが、PTAは形骸化しています。形骸化すると、PTA活動をすることが目的化し、義務でやるようになります。

役員のなり手がいなく、結局、公務員か地元で商売をしている人か、くじ引きで当たり(ハズレ?)を引いてしまった人がやることになります。

滋賀県大津市のある小学校では、2020年にPTAを廃止しました。
当時の役員は英断ですね。
替わりに作った組織は「運営は自主的な意思の下で行う」「誰もが参加しやすい会を目指す」という会則を掲げ、「できる範囲で工夫を凝らして活動する」をモットーに、自由に活動をしています。

現在、運営メンバーは11人。学校行事のたびにボランティアを募り運営をしているそうです。
例えば、運動会の写真撮影ボランティアの募集では、「運動場のトラックの中に入れます」と呼びかけたところ、多数の応募があったと言います。
楽しんでますね〜

僕は、この活動を知り、まさに指示ゼロ経営の原則である「人は自分の意志でのみ動く」を体現した好例だと思いました。

そのためには、企業の中に自由に活動ができる「余白」をつくることが大切だと考えています。
余白とは、通常業務以外のことに自由に使える時間です。
Google社には「20%ルール」があります。勤務時間の20%を通常業務以外に使える制度です。
GmailやGoogleMapsなど、秀逸なサービスがこの時間で生まれています。
日本で伝統的に行っているQC活動がこれに当たります。
部署を超えた交流があると良いかもしれません。

やるのも自由、やらないのも自由という、強制のない場と、失敗しても責められない文化があれば、大抵、何かを始める人が出ます。
強制でなく立ち上がった人は楽しんでいます。
そこから組織が変わります。

1、真っ先に立ち上がる人が出る。
2、立ち上がった人に、たった1人の味方がつく。
3、味方が増えチームになる。
4、楽しそうに活動していると仲間が増える。
5、小さくても確かな変化(成果)が出ると、多数派が認め賛同者が増える。

こんなプロセスでムーブメントが起こります。
1〜5の各段階で、リーダーにできることがありますし、各段階、その時点で関わっているメンバーにできることがあります。

例えば、2の「たった1人の味方がつく」の段階で、リーダーから「一緒にやる人、思い切って手をあげよう」と促せば、参画しやすくなります。
2の、味方が増える段階で、すでに加わっているメンバーが仲間を誘うと活動が広がります。
直接は関わらないが、陰ながら応援するという人がいてもOKです。

この話は、日常業務ではなく、新しい活動が立ち上がる時のプロセスです。

この話をすると、「そんなに緩くていいの?」と言われることが多いのですが、強制したところでクリエイティブな仕事はできませんし、無理して活動を立ち上げても長続きしません。

これで良いのです。

PTAだけでなく、企業も同じ活動を続けていると形骸化します。
常に、「小さな混沌」を内包していくことが重要ですので、混沌を生む時間と自由な風土を担保する必要があると考えています。

というわけで今日も素敵な1日をお過ごしください。

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