「徹底する」「不退転の決意で」という言葉から始まる組織の崩壊

社員を脅す社長がいます。
「ヤル気のない人は去ってもらってもよい」とか「このままでは給料を下げざるを得なくなる」とか、そういう言葉です。
僕は、こういう言葉を吐くリーダーには未来がないと考えています。
2つの点で。

1つは、社員が萎縮し創造的な仕事ができなくなります。
単純作業の積み重ねなら脅してやらせることは出来ますが、知恵の要る仕事には心理的安全性が欠かせません。

2つ目が怖い。
こういう言葉は、社員に危機感を持たせるために使うので、多くの場合、実行されることは少ないと思います。
実行されたとしても、最後の手段ですよね。

言葉だけで終わらせると社員さんは、「どうせ口だけ」と思うようになります。
さらに、その先に暗黙の拡大解釈…「ノーム」と言いますが、非常に厄介なことになるのです。
社長の言葉は信じない、でなはく「社長の言うことは聞かなくても良い」という拡大解釈です。

例えば、年末に政治家の会食が発覚し批判を集めました。
「会食を控えてください」と言った張本人が自ら飲み食いをしたわけです。
彼らが行くお店は感染対策バッチリだから大丈夫、と最初は思ったのですが、そういう問題じゃないことが分かりました。
口にしたことを実行しないと「政治家の言うことは信用しなくて良い」というノームができたら、もう何もできなくなります。

僕自身、この罠にはまりかけた事があります。
僕が新聞店を経営している時代、朝、配達員の中に遅刻の常習者がいて困っていました。
僕は「次に遅刻したら辞めてもらうからな」と脅したことがありました。

さすがに数日の間は定時に来ましたが、また遅刻をしたのです。
その時に、僕は辞めさせなかったのです。(というか、最初からそのつもりはなかった)
するとノームが出来上がり、僕に対する信頼が落ちてしまいました。

この話しは、何も脅しに限ったことではありません。
社長、マネージャーが好きな「徹底する」という言葉でも起きるのです。
そう言っておきながら徹底できなかった時にもノームが出来上がります。
「社長はああ言うけど、別に徹底しなくてもいい」と。

怖いことですよね?

だから、僕は覚悟を決める言葉は、本当に肚をくくって言うべきだと考えているのです。
「徹底する」「今度こそ」「不退転の決意で」
こうした言葉は軽く言わないほうがよいと考えています。

経営には覚悟が要る、本当にそう思うのです。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

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