アベノマスクから学ぶ一極集中の限界と小規模分散の強み 〜その2〜

アベノマスクを8000万枚、追加配布することに批判が集まり、希望者だけに配布することになりました。
ニュースを見ると、「もう品薄じゃない」「施設では布マスクは使わない」と言った声があり、いかにタイミングとニーズとズレていたかが分かります。
配布方法の変更を決めたことに「撤回する勇気は重要」という肯定的な意見もあります。

僕は、経営者はこの出来事から大きな学びを得ることができると考えています。
それは、意思決定のあり方です。
今日の記事は2020年6月14日の記事の続編です。

企業経営は組織構造を真剣に考える時期に来ている

今回の配布問題の本質は、ピラミッド型組織の脆弱さだと考えています。
どういう事か?
ピラミッド型の組織は動きが遅いので、意思決定から実行までに時間がかかります。
いくつもの階層があり、下から情報が上がってきます。
集まった情報をもとにトップが意思決定をして下に降ろしていきます。
情報が正確に伝わらないし時間がかかるのは当然ですよね。

さらに、意思決定を下に降ろしている間に状況が変わってしまいます。
マスクを8000万枚も手配するとなると、数ヶ月前から準備しなくちゃいけません。
で、配布する頃になったら状況が大きく変わってしまうのです。

これが今回の問題の本質…トップの判断ミスというよりは、組織の構造に原因があると考えるのです。

とは言っても、「変化が早い時代だからしょうがない」とはいきません。
時間も労力もお金も無駄になりますからね。

新型コロナの件に限らず、これから本格的に変化が激しく、正解が分からない時代が加速します。
企業経営も組織構造を真剣に考える時期に来ていると思うのです。

よりスピードが早く正確な意思決定ができる小規模に分散された組織への転換です。

変化の時代では小規模に分散された組織が強い

例えば、大手ファストファッションのZARAは小規模分散化で上手にやっています。
僕に似合う服がないからあまり好きじゃないけどね…

アパレルは変化に翻弄されやすい業界だと思います。
これから本格的に夏が到来しますが、今、メーカーが考えていることは来年の春夏のことです。
1年近くかけて仕込むわけですが、トレンドが変わったらパーです。
賭けみたいですよね?
で、外れたら超安売りセールをするしかありません。

特に、今はニーズが多様化しているので変化に即応できる大切が求められます。

ZARAはそれを小規模分散型の組織で実現しました。

同社は他社と比べ在庫が圧倒的に少ないそうです。
現場の社員がお客様の感性の変化を敏感にキャッチして「すぐに」「少量」生産する仕組みがあり、週に2回ほど店舗にトラックが納品しているからです。

勿論、製品1着あたりの原価率は上がります。
しかし在庫と売り逃しのリスクが大幅に減るので儲かるのです。

同社のポイントは、現場が「その時、その状況に応じ」判断する権限を持っていることにあります。
もし、現場の意見を上に報告し、上層部が協議していたらこんな芸当はできませんね。

ZARAは元々、変化が激しい業界だったのでいち早くこの方法を確立しましたが、これからはあらゆる業界が同じような状況に置かれると思います。

鍵を握るのは小規模に分散された意思決定と行動だと考えるのです。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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