ブレずに軸を持った生き方ほどつまらない生き方はない

「あの人はブレない、軸がある」…この上ない褒め言葉だと思いますが、同時にこんなにも危険な考え方はないと思います。
なぜなら軸を見つけようとするからです。
僕は軸は「得るもの」ではなく「到達するもの」だと考えています。
得ようとすると得られない、別のことをすると結果的に得られるものだと。

僕の後輩が30歳の頃、色んなことに挑戦しました。
ビジネスからファッション、アートなどなど。
そして色んな集まりに顔を出しました。
すると、その様子をSNSで見た人の中から「アイツは何をやりたいのか分からない」と批判する人が出ました。

軸がないということです。

しかし、僕は良い傾向だと思ったのです。
その理由が冒頭の軸は到達するものと考えるからです。

中庸という言葉があります。
僕のメンターは「最善を想像し、最悪を想定し、中庸を行く」と言います。
これはとても深い。
最初から中庸を目指すと「中庸に偏る」ことに陥ると思うのです。
最善と最悪の両極端があるから中庸が生まれる、そういうものだと思います。

最初から安定しているヤジロベエは見たことがありません。
左右に振れてから軸が見つかります。

人間も同じだと思うのです。
後輩のようにビジネス、アートといった両極にあるものを体験し、ゆらゆらと揺れていると自分の軸が得られるのだと。
軸がある人はそういうプロセスを辿っているのだと考えています。

同時に、軸を持った瞬間に中庸に偏ることになる。
人間は安定を求めますが、不安定の中で一生懸命にもがき続けることが本当に軸のある生き方なのだと思います。

ライフワークバランスも同じだと考えています。
仕事をする時は狂ったように働く。
遊ぶ時はバカになって遊ぶ。
やがて自分オリジナルの生き方になっていくのだと思います。

ブレる、もがく、振り回される。
とても素晴らしいことじゃないでしょうか?

それでは今日も素敵な1日を!