「早く帰れ」は究極の繁栄戦略

国際競争力ランキング、幸福度、労働生産性において世界のトップを走るデンマークをベンチマークしています。
参考にしているのは「デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか」(針貝有佳著)という書籍です。

読むと、デンマーク人の働き方が「あの会社」によく似ていると感じました。当ブログで度々紹介する「未来工業株式会社」(岐阜市)です。

2011年に同社を視察し、創業者の山田昭男さんに直接お話を伺いました。山田さん、とてもユニークな方で話が面白い。
冒頭からこんな言葉が飛び出しました。

夜9時や10時まで働いて、家に帰ったらメシ食って風呂入ってバタンQ、なんていうのは家畜の生活だ。早く家に帰って家族と過ごしたり趣味に没頭したほうが良い。それが創造性の高い仕事の秘訣だ。

同社は社員の幸福度が高く、また、特許取得が多いことで知られていますが、その創造性を支えているのは豊かなプライベートです。
内閣府の調査では、今、モノの豊かさよりも心の豊かさを重視する人が増えていますが、心の豊かさを創造できる人は、それを知っている人だけです。
同社が残業を原則禁止にしている理由はここにあります。(残業禁止に関しては、当時のことで、今は定かではありません)

デンマークは、世界で最もDX化が進んでいますが、その目的は「早く帰って家族と過ごすため」です。多くの日本人が「より効率よく稼ぐため」と考えるのと比べると、文化の違いに驚かされますね。

書籍を読むと、デンマークの企業では、指示ゼロ経営的な企業風土が根付いていることも分かります。
リーダーと部下の関係が非常にフラットなで、上司の意思決定に部下の意見やアイデアが色濃く反映されます。
例えば、「レゴブロック」のLEGO社では、CEOと清掃員が対等に議論する光景が頻繁に見られるそうです。

フラットであると同時に、部下が戦略立案に参画できるという特徴もあります。
戦略立案に参画できると、部下は変化を自分で作り出すことができるので、変化への対応が早くなります。
同著では、この様子を「石橋を造りながら渡る」と表現しています。目的と方針を決めたら、とりあえず行動してみて、行動の結果を振り返り、修正しながら前に進む「アジャイル式」で仕事を進めているのです。
トップダウンでは、アジャイル式は難しいですよね。

また「会議は立ち話で済ますことが多い」と紹介されていますが、それも社員が戦略立案に参画する企業の特徴です。
戦略に参画することで、戦略の全体像を理解します。すると、必要な時にサッと集まって短時間でプランの進捗を確認し、修正が必要な場合も短時間で済みます。

これが、戦略への参画が少ない「やらされ」だと自発的なマメ会議が行われず、変化への対応が遅れます。
会議の冒頭で1人1人が進捗を発表する必要があるし、溜まりに溜まった課題を扱わなければならなく、会議が異様に長引くのです。

いまだに「日本人はかつてのように馬車馬のように働け」という人もいますが、それは労働量が成果に直結した時代の話です。

「早く帰って成果を出す」ことで、今、日本が抱える課題…賃上げや人手不足などの解決に活路を見い出すことができると感じています。

というわけで、時間がある時に針貝さんの書籍を読んでみてはいかがでしょうか。
働き方改革を改革するような、新しい世界が観えると思いますよ。
 

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