AI時代に哲学を学ぶ人が増えているワケ

❚ 古くからあるものの価値

私たちは、いつの時代も「新しいもの」を追いかける傾向があります。
しかし、僕は、あえて「古くからあるもの」に着目しています。時代が経っても淘汰されずに残っているということは、そこに普遍的な真理があると考えるからです。
また、新しいものはどれも、古くからあるものをアレンジしたものが多いので、源流を学ぶことが有効だと思うからです。

さて、今日は古くからあるものの代表「哲学」の有用性を考えたいと思います。

先日、大学入学共通テストをチャットGPTに解かせたところ、16科目中9科目で満点を取ったことが話題になりましたね。
驚きというよりは「さもありなん」という感想を抱いた方が多かったのではないでしょうか。

そんなニュースを見ながらラジオを聴いていたら「哲学コンサルタント」なる人物の話が耳に入ってきました。今、哲学を学ぶ人が増えていて、企業によっては研修に取り入れているところもあるそうです。

「AIの発達と哲学の復活」…2つのムーブメントが同時に起きていることは偶然ではないと考えています。  

❚ 「要するに」と「そういえば」

仕事の達人は、物事を「要するに」と「そういえば」を使い分けることが上手です。
「要するに」とは、物事を抽象化することを指します。
例えば、「日本人っぽい動物は?」と質問すると「犬」と答える人が多いのですが、その際「どうしてそう思うの?」と聞くと、「誠実だから」といった理由を述べる人が多いんですよね。
「犬」という具体的な生き物を「誠実」でまとめ上げること…これが抽象化=「要するに誠実だから」ということです。

対し、「そういえば」とは、例えば「誠実といえば、馬もそうだよね」と、アイデアが広がる様を指します。

仕事の達人は「要するに」と「そういえば」の問いにより、仕事の意義を深めるとと同時に、深めたものを軸に、新しいアイデアを引き出すことができるのです。

哲学とは、物事を深める学問で「なぜ」を追求します。
現代人は、物質的な豊かさを手にしたが、一方で、生きることや働く意味を見い出せずに悶々としている人が増えています。
だから、リーダーには「なぜ」を深める力…「なぜ我が社は存在するのか?」「なぜ働くのか?」といった哲学する力が求められるのです。

哲学には、単一解はなく、自分、あるいは自社独自の正解を探さなければなりません。

一方、AIは「そういえば」が大得意で、最適解を導くことに長けています。
実は、共通テストで満点をとった科目は、数学、化学、政治経済、情報など、単一解がある科目で、逆に、弱かったのは、感情や思想など「人間に関すること」でした。

哲学し、目的を見い出せた人にとって、AIほど心強い相棒はいません。まさに「鬼に金棒」です。
逆に、哲学がない人にとっては宝の持ち腐れになります。

新しいものが登場した時ほど、昔から変わらないものに目を向ける…その姿勢こそが、変化の激しい時代を生き抜くための、最も新しい選択なのかもしれません。

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