あなたの会社で起きる問題、実はもっと深いところに原因があるかも。

企業で起きる様々な問題は、その原因をたどると、多くの場合1つの「根っこ」から派生していることが分かります。
このことは病気で例えると分かりやすいと思います。
発熱、咳、鼻水、節々の痛みなどがインフルエンザによって起きているのであるならば、根本原因に手を打つ、つまりタミフルを処方すればよいということになります。
さらに根本を探ると、免疫力の強い体質をつくることが大切ということになります。

それをせずに、それぞれの症状に手を打つ対処療法はモグラ叩きと同じで、いつまでも症状が消えず叩き続けることになります。
もし、あなたの職場で、叩いても叩いても問題が起きるとしたら、根本原因以外を叩いているのかもしれません。

根本原因を突き止め手を打つ手法はコンサルタントの常套手段ですが、コンサル業の友人に聞くと「根本原因を見つけるのは本当に難しい」と言います。

その理由は、今の時代、次元が違うところに根本原因があることが多いからです。

どういうことでしょうか。

新聞業界を事例に説明しますね。
新聞業界では、新聞読者の減少、人手不足、離職の増加、折込チラシの減少などの問題を抱えています。
以前に、新聞店の社長を集め、根本原因を探るワークを行いました。ワークのやり方は、起きている問題を付箋に書き、因果関係で並べるだけです。

すると、次のような因果図が完成しました。

新聞読者の減少、人手不足、折込チラシの減少も、原因をたどると「乱暴な営業」から派生して起きていることが分かります。

では、根本原因を改善し丁寧な営業をすれば万事解決となるでしょうか。
そうならないことは誰の目にも明らかですよね。
因果図が未完成なのです。
乱暴な営業のさらに下に根本原因が潜んでいるのです。

それは「新聞社からのノルマの圧力」です。さらに、その下に「部数が多い新聞社が一強になる」というビジネス構造があります。

発行部数は100万部の新聞社も、500万部の新聞社も、新聞を作成するコスト(取材費)は同じです。同時に、新聞の原材料は紙とインクなので、部数が増えても原材料費が極端に増えることはありません。
必然的に「売ったもん勝ち」というビジネスモデルなんですね。だから新聞社は新聞店にノルマを押し付け、それを受けた新聞店は無理な営業をするのです。

それでも、順調に部数が伸びる時代ではなんとかやってこれましたが、スマホという黒船の存在で、一気に成功法則が瓦解し、各種症状が噴出したのです。

新聞業界が、各種症状を治すためには「紙の新聞を作って売る」というビジネスモデルを変えなければならないということになります。

ところが、ビジネスモデルの転換のさらに奥に、根本原因が潜んでいたのです。

僕が、新聞業界衰退の因果を新聞社の若い社員に話すと、全員が「その通りです」と答えます。
しかも、皆んな「すでに知っていた」という様子なのです。

なぜ、知っていたのになぜ解決に乗り出さなかったのでしょうか?
それは、ガチガチに固められたヒエラルキー組織にあります。
今、組織の上層部に君臨する役員は、今のビジネスモデルをつくり成長させた立役者たちです。彼らが、それを否定して新たなモデルを構築することは非常に難しい。
しかも、あと数年で引退という身なのだからなおさらですよね。

加え、感性が新しい若い社員の声は上層部に届くこともない。

根本原因を奥の奥まで掘り下げると、組織風土という目に見えないところに到達したのです。

これは新聞業界に限ったことではありません。
今、あなたの会社で起きている問題の根本原因を特定したら、もう一度「この問題が起きるのはなぜか?」という問いをぶつけて「さらに奥」を探ってみることをお勧めします。
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