片付けコンサル「こんまり」さんから学ぶ、中小企業が勝つ市場

金やダイヤモンドなのど天然鉱物を見ると分かりますが、希少な資源に高値がつくようにできています。一方で「たくさんあるもの」には値打ちがつきません。たくさんあるものは、どこでも売っています。ティッシュペーパーはどの店にも売っており、ゆえに価格競争に巻き込まれます。

商売には2つの勝ち方があります。
1つは、多数のライバルがいる市場で先頭を走ること。もう1つは「希少」で勝負する、オンリーワンのポジションを持つことです。たくさんあるものにはスケールメリットが働きますので、どうしても大手が有利ですので、必然的に、多くの中小企業は「希少」で勝負するということになります。

希少なものとは何も資源に限ったことではありません。付加価値や能力といった無形なものも含まれます。
僕は、ここに中小企業の希望があると考えています。

いくつか事例をあげて考えてみましょう。
最近、ロボットが料理を運んでくるレストランがあります。総人口に対して労働人口が減る上に、飲食業界は昔から人手の確保に苦労してきましたので、ロボットは救世主だと思います。ロボット化のトレンドはますます加速するでしょう。
するとロボットが過多になり、人間が希少になります。希少なものに値打ちがつくのですから、
「おもてなし」などの、人間にしかできない価値を創造する方向に舵を切れば、千載一遇の好機を掴む可能性があります。
人間的価値を最大化するために、それ以外の業務を徹底して機械化するという、いい意味で「偏った」経営を目指すべきではないでしょうか。

過多と言えば「課題解決力」もそうです。日本では、子どもの頃から、五教科に代表される「これが正解」とゴールが設定された課題を効率よく解く訓練に力を入れてきました。これは産業界の要請を受け、教育界がつくったものです。日本にはアメリカというお手本(ビジョン)がありましたから、それを実現するための解決力が求められたのです。

しかし、もう以前の憧れは一通り手にしてしまいました。家もクルマも家電品も十分にあるのです。
解決力を持った人間が過多になった上に、AIの登場で、ますます過多が加速します。
一方、そうなると希少なものが生まれます。
「ビジョンをデザインする力」です。
ビジョンをデザインすれば、それを具現化する能力は過多ですので、非常にチャンスに満ちた時代と言えます。

学校や学習塾のほとんどは、解決力の訓練ばかりしていますので、ビジョンを描く訓練ができる学校を作れば、今後は引っ張りだこになるでしょう。

モノが過多になったことで希少になったものは他にもあります。

この10年間で、世界に書籍を最も売った日本人著者は誰でしょう?

村上春樹?
東野圭吾?
三浦しをん?

実は、「片づけコンサルタント」の近藤麻理恵さん(こんまりさん)です。
以前は、モノが希少で、居住の「空白」をモノで満たしたかったが、今は、モノが過多で、空白が希少になっています。
そこで、「片付けノウハウ」を書いた書籍が歴史的なヒット作になったということです。

希少なものを発見するコツは、過多になっているものを探すことだと思います。
今、世の中には過多なものがたくさんあるので、ひっくり返せばチャンスだらけの世の中と言えるのではないでしょうか。


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