組織は「要するに人間」と「そういえば人間」の協働で強くなる。

職場には「要するに」と「そういえば」を口癖にする異なるタイプがいます。
前者は、物事を構造的に捉えるのが得意で、後者はアイデア豊富な人に多いのが特徴です。
ちなみに、これらは、感性アナリストの黒川伊保子さんの著書「対話のトリセツ」から引用しています。

「要するに人間」は、物事を、根→幹→枝→葉の順で考えるのが好きです。彼らが盛んに言う「結論から言いなさい」はこの思考によるものです。
彼らの思考を、例えば「売上UP」の事例で考えてみると、まず最初に「新規集客」「リピートの改善」「客単価UP」といった構造を作り、その後にアイデアを出します。

対し「そういえば人間は」、枝葉から考えます。「イベントでは季節のジュースを出したいよね」といった、より現場に近いアイデア出しが好きなのです。
そして、上司から「要するにどういうこと?何が目的なの?」と叱られるのです。

あなたはどちらのタイプでしょうか。
先天的な資質もあるでしょうが、立場によって顕在化する資質が変わることもあります。例えば、経営者や管理職になると、全体を俯瞰し体系的に捉える能力が求められるので「要するに」が育ちます。

職場には両者が必要なのですが、いかんせん衝突することが多いので注意が必要です。
「要するに人間」は、「そういえば人間」が次から次へとアイデアを出すのがストレスになります。
逆に、「そういえば人間」から見ると「要するに人間」が、型にはまった融通の効かない人に思えてしまうのです。

僕が、このことを実感したのはPTA活動でした。
PTA会長には、地元企業の経営者が選ばれることが多く「要するに人間」が多いんですね。
そのため、PTA理念や本年度の方針を確認した上でアイデアを出すという手順を踏みたがります。

しかし、PTAは色んな人が集まりますし、PTA会長は大した権限はありませんので、会議ではそれぞれが、根・幹・枝・葉…自分が好きな話をし始め、カオスに陥ることがあります。
その様子を見て、「同じことが企業で起きたら大変だなぁ」と思ったものです。

統制の取れた企業では「要するに人間」の上司が会議を仕切りますので、根→幹→枝→葉の思考が鍛えられます。
会議が短時間でまとまるというメリットがある一方で、斬新なアイデアが出づらいというデメリットもあります。

対し、自律性の高い組織では、自由に発言ができるので、しばしば根・幹・枝・葉が混在したカオスに陥り混乱しますが、その中からイノベーティブなアイデアが生まれる可能性があります。

闊達か? 安定か?…一方を立てれば一方が立たず、トレードオフのように思えますが、闊達と安定は両立が可能です。

僕が企業研修などで採用しているやり方を紹介しますね。

基本的には、根→幹→枝→葉の順で考えますが、全員に付箋を渡し「アイデアが浮かんだら書いておいて」と伝えのです。
「そういえば人間」はアイデアが次から次へと浮かびますので、記録しないと忘れてしまいます。そのアイデアが企業を飛躍されるかもしれませんので、忘却はなんとしても防ぎたい。

売上UPの事例で言えば、「新規集客」「リピートの改善」「客単価UP」といった構造を整理しながら、「そういえば人間」は思いついたアイデアを付箋に記し、後で、それぞれの要件にプロットします。

この方法によって、「要するに」と「そういえば」のいいとこ取りができるのです。

「要するに人間」は地図を描き、「そういえば人間」は景色を彩ります。地図だけでは味気ないし、景色だけでは迷子になる。どちらか一方だけでは、会社は繁栄しません。
互いの思考を尊重し、補い合える場づくりが重要です。そのテクニックの1つとして参考にしていただければ幸いです。
 
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