「社長の肩書」の正しい使い方

つくづくイノベーションには理不尽がつきものだと思います。
というもの、企業経営は、独自化・差別化を目指しますが、独自性の高いもの=見たことがないものなので、組織内の多数派から敬遠される宿命にあります。
経営は成熟し民主的になればなるほど多数派の意見が通るようになるので、ユニークなアイデアほど多数派によって葬り去られるのです。

この問題の解決にこそ、社長の肩書が必要だと考えます。

ユニークなアイデアを出す人は、「こういうものがあったら面白い」とか「こんな製品を生活者に使って欲しい」という衝動に基づき発案することが多いと思います。

SONYが開発したウォークマンは、「音楽を持ち歩くことができたら、観る景色にBGMがつき素敵じゃない」という衝動的な発案から生まれた製品ですが、ご多分にもれず、営業サイドから「音楽の再生しかできない、利便性に劣る製品が売れるわけがない」と大反対を喰らったと言います。

これを解決するのが、肩書を持った人の役割です。
イノベーションは、少数派のアイデアを多数派が認めた時に起きます。だから決して多数決を取ってはいけません。
少数派のアイデアに対し、それを支持するフォロワーが1人2人4人と増えていき、形勢が逆転した時にイノベーションが起こります。

社長がフォロワー第一号になることで、ムーブメントがスムーズに立ち上がる可能性があります。

このことは、バルミューダ社の「感動のトースター」の開発秘話に学ぶことができます。
ある日、近所の公園でバーベキュー大会を行いました。あいにく土砂降りの雨でしたが、思い出になるという理由から決行することにしました。
ある若い社員さんが炭火でトーストを焼いたところ、中身はしっとり、外側がカリカリの美味しいトーストが焼けたそうです。その時に、誰かが発した「こんなトーストが焼けるトースターを作りたいな」という声に、真っ先に乗ったのは社長だったと言います。

これぞ肩書の正しい使い方だと思います。

もし、その場で社長がフォローしなかったら、もし多数決を取ったら、雨の日の偶然の出来事はなかったことになり、あのトースターは世にデビューしなかったかもしれません。

アイデアがユニークであればあるほど、前例がなく分析はできません。
「社長は、どんなアイデアもフォローしましょう」と言うつもりはありませんが、アイデアに情熱を感じたなら、社長は肩書を活かしムーブメントを後押しすることだと思います。

ただし、昨日の記事に書いたように、集団は空気に流されることがあるので注意が必要です。社長が乗ったからといって、その勢いに流されない、良い意味での批判的態度も求められます。
昨日の記事はこちら→「空気」に流されない組織文化のつくり方

我が家の感動のトースターは今日も顕在です。
朝から美味しいトーストを食べながら、そんなことを思ったのです。

今日も素敵な1日をお過ごし下さい!

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