「上司の劣化版コピー」しか生まれない人材育成
正解がない時代を迎え「経験豊富」の価値が激減しています。
リーダーは、自分の成功体験を部下に押し付けるのを控える一方、部下は部下で、自分で考える習慣を身に付けなければなりません。
そうでなければ「上司の劣化版コピー」しか生まれず、組織は弱体化の一途をたどるだけです。
しかし、これが難しい。
年長者が成功体験を捨て去るのも難しいことですが、社会全体に年長者依存の文化が染み付いてしまっており、若手が重要な意思決定を行うことは稀です。
まあ、揉め事が起きた時に、最後に長老が出てきて、印籠ばばーんで収めるドラマが56年も続くくらいですからね。
あのドラマって、かつて部下役だった人が、後に長老役になることがあるのですが、これも日本的組織を表しているようで面白いですね。
長老依存は組織の長期的な成長にも影を落とします。
人間は安定を好みますから、確実に問題を解決してくれる熟達者に依存したくなるもの。しかし、それは長期には悪手です。
なぜならば、人は想定外の経験をした時に最も成長するからです。
成長とは、自分というシステムが変わること。
これまでAというインプットに対し、Bというアウトプットをしていた人が、Cという新たなアウトプットができるようになることが成長ということです。
例えば、トラブルが起きると人間関係が悪くなる組織が、むしろトラブルにより結束が高まるようになるということが成長なのです。
そのためには、まずは従来のシステムの破壊が必要で、だから、成長には痛みが伴うんですね。
正解のない時代において、痛みを避けて熟達者に依存していては、熟達者も解を出せないわ、若手も育たないわで、組織は10年後には存在すら危ういと思うのです。
若手が活躍するためには、若手を変える前に、年配者の役割を変える必要があります。
役割とは「支援」…若手が想定外を経験しながら成長できるように支援することだと考えます。
支援は、次の3つが有効です。
「空気をつくる」「フィードバック」「問いをつくる」
「空気をつくる」
若手は年配者を差し置いて発言などできないと考えるので、発言を遠慮するんですよね。また、間違ったことを言ってはいけないとか、反論してはいけないとか、とにかく躊躇が多い。
優れた熟達者は、議論が活性するように「正解なんてないから遠慮せず言おう」などと場の空気づくりを心がけます。
「フィードバック」
成長には痛みを伴うため失敗を受け入れることができず「なかったこと」にしがちです。
その時には、課題に向き合わせるという憎まれ役が必要です。
「問いをつくる」
課題解決の定石は、「現状把握」→「理想を描く」→「現状を理想に変える方法を考える」という思考プロセスですが、部下は、目の前のことに意識を奪われ、この構造を俯瞰できなくなります。
そこで、熟達者は、例えば「現状、何が問題なんだっけ?」などと、上手に問いを投げかけ部下をサポートします。
実は、熟達者は過去に、同じような経験を積みながら成長しています。
支援というのは、そのプロセスを部下に体験させるということだと思うのです。
そして自身は、失敗の可能性がある「より難しい課題」に挑戦することも大切だと考えますが、自身にどんな挑戦ができるか、ちょいと考えてみてはいかがでしょうか。
※「記事が面白かった」という方は、是非「読者登録」を!
読者優先セミナーや無料相談など、登録者限定の秘匿情報が届きます。



