始めたその日から学習効果が4.5倍になる人材育成

自分が伝えたいことが、なかなか部下に伝わらないと悩むことはないでしょうか。
「経営計画発表会で、もっと魅力的なプレゼンができるようになりたい」「会議の資料を、もっと分かりやすくしたい」…リーダーは自分の能力向上のために様々な努力を重ねますが、僕は「矛先は、自分ではなく相手に向けたほうが良い」と考えています。

自分のプレゼン能力を高めるのではなく、メンバーの学習能力を高めるということです。

アメリカ国立訓練研究所が提唱する「ラーニング・ピラミッド」によると、学習効果は、学び方で次のように変わることを明らかにしました。

講義を受ける…5%
読書する…10%
視聴覚…20%
実演を見る…30%
他者と対話する…50%
実際に体験する…75%
他社に教える…90%

プレゼン能力を高め「視聴覚」の効果を倍の40%にすることに成功しても、他者との対話(50%)に敵わないのです。

僕が考えたことは、「それならば学び方を変え、相手に賢くなってもらおう」ということです。
例えば、僕のセミナーでは、受講者にはセミナー前に20分程の解説動画を見てもらってからセミナーに臨んでもらいます。セミナーの冒頭で、ペアを作り動画の内容を教え合うようにしています。貴重な時間と高いお金を費やしているのだから、セミナーでは余計なことをしたくないのです。

これを応用している企業があります。
これまでは、会議の冒頭で各部署から進捗状況などの報告をしており、それに1時間以上かかっていました。
それを、事前資料、もしくは事前動画に切り替え、会議の冒頭で「教え合い」を行いました。
それにより、学習効果が高まっただけでなく、貴重な会議時間のほとんどを「未来を創造する対話」に使うことができるようになりました。

同じ要領で授業を行っている教員もいます。その教員は、事前学習は動画で行っていますが、ゆくゆくは、その動画も生徒に作ってもらう予定でいると言います。

プレゼン能力を高め、聞いている人を惹きつけるのは快感ですが、効果を考えれば、もっと別の方法をとるべきではないでしょうか。

とても簡単ですので、強くオススメします。


6月26日(水)に、「指示ゼロ経営説明会」を開催します。
指示ゼロ経営の基礎中の基礎を学ぶことができます。
今回の特別テーマは「正しい賃上げの実務」です。無策な賃上げは危険です。賃上げムードを企業力向上の追い風にする基礎知見を学びます。