「時代の変化に合わせ素早く変わる」では遅すぎるワケ

僕は常々、指示ゼロ経営の強みとして、「時代の変化に即応できる」と伝えてきました。
実は、ずっとこの表現に違和感を感じていたのですが、その正体が分かりました。
時代の変化に即応するのではなく「時代の変化よりも早く変わる」ということなのです。

時代が変わってから自らを変えていたら遅いということです。

この気付きのヒントになったのは生物学者の福岡伸一先生の著書「生物と無生物のあいだ」でした。

まずは簡単に説明しますね。
私たちの身体は日々、新陳代謝を行っていますね。毎日、食事を摂らなければならないほど、活発に代謝が行われています。
「新陳代謝」というと、古いものが廃れ、新しいものが生まれると考えがちですが、福岡先生によると「古くなる前に、自らを壊している」そうなのです。

どういうことでしょうか?
宇宙は「エントロピー増大の法則」に支配されています。これは、簡潔に言うと「物事は時間とともにバラバラになり元に戻ることはない」ということで、万物は必ず経年劣化、陳腐化し、廃れる宿命を負っているのです。

今、僕が記事を書いているパソコンも必ず壊れる時が来るし、書きながら飲んでいるコーヒーは必ず冷めてしまうのです。

私たちの身体も、時間とともに劣化するわけですが、その劣化スピードよりも早いスピードで、自ら分子を壊す&再生しているのが生物というわけです。

自らの破壊&再生が、エントロピーに抗えなくなった状態が「死」ということになります。

経営も宇宙の法則に抗うことはできません。人々の悩みも欲求も感性も、時間の変化とともに変わり生まれ変わっています。こうした変化に「合わせる」ではなく「先取りして」変わらないと、企業は死に近づくと考えるのです。
だから、過去のやり方に固執するのはもってのほかですし、変化に気付いてから後手で対応していたら、やがてジリ貧に陥るいうことになります。

松下幸之助氏は「日々新た」という思想を大切にしました。新製品ができた時、その担当者に、「この製品をライバルにして、またよりよい新製品を開発しよう」と言ったと伝えられています。
最初にこの話を聞いた時は、「なんて無茶振りする人なんだろう」と思ったのですが、今では宇宙の法則の実践者だったと理解できます。

この話を聞くと、「考えただけで疲れる」と感じる人もいると思います。もしかすると、そういう人は、これまで「上司がつくり出した変化に巻き込まれる」…つまり「やらされ」の経験をしてきたのかもしれません。

自ら変化をつくり出し誰かに喜ばれると、仕事は愉しく、気持ちは攻めに転じます。

「宇宙の法則」ということで言えば、この宇宙はトップダウンで成り立っているのではなく、要素が互いに作用し合い、自律的に最適な状態を保っています。

企業においても、そんな「理」に適った組織をつくる必要があるのではないでしょうか。


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