成功するまで諦めない技術
指示命令で動かしていたらモチベーションは長続きしないので思い切って任せてみる。…
ところが、いつも中途半端で「気付いたらなかったことになっていた」ということがよくあります。
これでは何も成し遂げることはできませんよね。
それは、人と組織が十分に育っていないからですが、どうしたら、そんな悲劇を防ぐことができるのでしょうか?
世の中には優れた経営ノウハウがたくさんあります。
科学的・体系的で使い勝手が良いものが多く、提唱者は「ちゃんとやれば上手くいく」と再現性の高さをアピールしています。
しかし、だとすれば世の中は成功した企業で溢れているはずですが、実際はそうではありません。
つまり再現性は思うほど高くないということです。
どこにボトルネックがあるのでしょうか?
それは、ノウハウの提唱者の言葉…「ちゃんとやれば上手くいくはず」という言葉に表されています。
ちゃんとやれば上手くいくということは、ちゃんとやれていない企業が多いということです。
なぜ、ちゃんとできないのか…僕は、たった1つの事実を突き止めました。
それは「成功する前に諦めてしまった」ということです。あまりにも些末に聞こえるかもしれませんが、本当にそうなのです。
これは、僕が企業の経営支援を行う際に、最も危惧することです。
経営支援では、自分たちで「PDS」を回し続け、物事を成就する体験をしていただきます。
やることは至ってシンプルで、プロジェクトの計画(Plan)をメンバー全員が関わり作り、チームワークで実行し(Do)、途中経過を検証し(See)、計画を修正します。
Plan-Do-See(PDS)を回しながらプロジェクトを最適化する「アジャイル式」でプロジェクトを走らせるということです。
原理的には、成果を上げるまでPDSを回し続ければ良いということになりますが、これがなかなか難しい。
途中で、PDSを回すエネルギーが枯渇してしまうことがあるのです。
枯渇の原因の最たるものは、人間関係の悪化です。関係が悪くて、深い対話も協働もできずに、プロジェクトそのものがどうでも良くなってしまうのです。
もう1つの原因は「意思決定のプロセス」にあります。
意思決定には「何をやるか」「なぜやるか」「どんな出来栄えでやるか」「どの様にやるか」「誰が(誰と)やるか」「いつまでにやるか」「いくらでやるか(予算)」の7つがあります。
この中で特に重要なのは「何をやるか」と「なぜやるか」の2つです。
このことは旅に例えると分かりやすいと思います。
昨年、家族旅行で青森に行きました。最初に妻と娘に提案したところ「なんで、そんな行きづらいところに」と反対されました。
実は、僕が青森を選んだのには理由があります。
母は紅葉が好きで、かねてより青森の紅葉が見たいと言っていました。母は90歳のわりに健脚なのですが、それでもあと何回、家族旅行に行けるか分かりません。元気なうちに家族で思い出をつくりたい。そうしないと後で後悔するという思いがあったのです。
もし、僕が目的を共有せずに、「青森に行こう」とだけ言ったら、合意は得られなかったと思います。
目標設定は、人生にとってかけがえのないものと結びついた時に効果を発揮します。
ビジネスも、目標の先にある「意義」を理解すると自分の人生にとってなくてはならない大事になりモチベーションが持続します。
「気付いたらなかったことになっていた」が頻発する企業では、目的が不十分なの旅に出ていることが多いのです。
目的を共有すれば、PDSをPDSを回し続けるエネルギーが生まれ、リーダーは安心して任せることができるでしょう。
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