「人間の寿命100年」&「企業の寿命20年」が経営に与える影響を考える

厚労省の資料によると、日本人の平均寿命は1960年の67.6年から、2020年には84.6年と、60年間で17年も伸びています。近い将来に100年時代になると予測されていますね。

一方、企業の寿命はどうでしょうか?
東京商工リサーチの資料によると、1960年の60年から、2022年には23年と、37年も短くなっています。
この傾向は日本に限ったことではなく、世界的なトレンドのようです。

この事実が示唆することは「これからは、多くの人が複数回の転職を余儀なくされる」ということです。
それに伴い、私たちが身につけるべきスキルも変わります。
スキルには大きく3種類あります。

1、その会社のみで使えるスキル
2、その業界のみで使えるスキル
3、業界を超えて使える、汎用性の高いスキル

1と2が具体的なスキルなのに対し、3は人間関係構築力や、チームワーク形成力、プロジェクトマネジメントといった基礎スキルになります。

言うまでもなく3がなければ、1も2があっても成果は作れません。
サッカーチームで例えれば、どんなに優れた技術があり、素晴らしい道具が揃っていても、体力が脆弱だったり人間関係が破綻しているチームでは良い結果は出せませんよね。

3のスキルを身につけた人は、転職先として、業界を超えた選択肢を手にすることができます。

企業側からすれば、3の能力が組織内に備えれば、企業の寿命を伸ばせる可能性があるということです。

ところが、1と2は比較的すぐに習得でき、習得すれば直接的に成果が出るのに対し、3は習得までに時間がかかる上に効果が可視化しづらいため、おろそかになりがちです。

「汎用性の高いスキル」の中でも、最重要は「関係性づくり」のスキルです。
マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授は「成功循環モデル」として、次のようなモデルを提唱しています。

「関係の質が上がると」→「思考の質が上がり」→「行動の質が上がり」→「成果の質が上がり」→「関係の質が上がり」…(以下、サイクルを繰り返す)

例えば、世間話しかできないような関係であれば、一緒に仕事をすることは難しいでしょう。業務に必要な最低限の話しかできない関係ならば、行動は日常業務の繰り返ししかできません。クレームが発生しても、改善の話し合いは難しいでしょう。
互いを応援し合える関係になれば、互いの成功を考えられるようになり、チームワークが形成されます。

私たちはつい、短兵急に結果ばかりを求めてしまいますが、結果をつくるまでには整備すべき要件がたくさんあり、それこそが、人生100年、企業の寿命20年時代を生きる力なのだと思います。

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