ビジョンが描けない時は「ビジョンの方から立ち現れてくる」のを待つ

長野県の辰野町という所に住んでいる米澤家が、GWに札幌に家族旅行行くと決めたとします。
すると、海産物とスイーツが大好きな娘が旅程を考えてくれます。電車で羽田に行き、そこから飛行機で新千歳空港に。空港でレンタカーを借り、まずは支笏湖へ…
もし荒天で飛行機が欠航しても、娘は代替案を考え、何が何でも札幌入りを遂げるでしょう。

1、現在地が分かる。
2、行き先が分かる。
3、そこに行きたいという意欲がある。

この3つの要件が整うと、「行き方」は仲間が自発的に考えてくれるのです。
人は、物事に参画した分だけ自分事にしますので、調べれば調べるほど、行動すればするほど旅にはまっていくのです。

「現在地」「行き先」「意欲」の3つをセッティングする力を、指示ゼロ経営では「構想力」と呼んでいます。

さて、3点セットの中で「行き先」…ビジョンデザインが苦手という方も多いと思います。
単に苦手というケースもあれば、正解がない時代なので「あまりカッチリとビジョンを描きたくない」というケースもあります。

この場合、無理して描く必要はありません。ビジョンは「こうすべき」で描くものではなく、「こうなりたい」という願望が欠かせませんので、願望が起きない時には別のアプローチを取る方が良いのです。

その方法とは…

「走っているうちにしっくりくるビジョンが立ち現れてくる」

というものです。

僕は常々、「ビジョンとは映像である」と言っています。未来の「その日」が動画で再生されるということですが、動きをつくるには役者が必要です。
役者には、最低でも「自分」と「顧客」が欠かせません。
ビジョンに「顧客に喜ばれて悦んでいる自分」を登場させるのです。

会社として「これを目指す」というビジョンが設定できない、あるいは設定しない場合、社員1人1人が「顧客に喜ばれて悦んでいる状態」をイメージし、それに向かい行動します。顧客とは、いわゆるお客様だけでなく社内の顧客(次工程など)でもOKです。
定期的にメンバー間で、「こんな風に喜ばれたよ」と実践と成果を共有します。すると徐々にイメージが統合され、自社にとってしっくりくるビジョンが立ち現れてきます。

あるいは、これまでにない「新しい喜ばれ方」が突然変異のように生まれ、業態が変わることがあります。

その事例として当社のケースを紹介します。
新聞購読者の減少にあえぐ中、当社ではビジョンを描くことができないでいました。そこで「とりあえずお客様に喜ばれることは何でもしよう」ということになったのですが、実践を重ねていくうちに、お客様の困り事も見えるようになったのです。
その多くが、個々の生活者の課題というよりも、地域の課題だということが分かりました。しかし、生活者のニーズは多様化しているので、行政の一括管理では対応できません。
その時に、自社でやってきた指示ゼロ経営に着目したのです。
「だったら、地域の人たちの知恵と協働で、自律的に解決できるようにすればいい」というアイデアが突如として生まれ、新聞屋が地域創生事業へ変容したのです。

当社のケース以外にも、様々なケースがありますが、ビジョンが、走っているうちに立ち現れてくるというのは、正解がない時代に適したあり方であることは間違いないと考えています。

御社は、どんな「構想」を企てますでしょうか?

 


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